出版社内容情報
差別と偏見も敵だった――。
差別と偏見も敵だった――。生還が絶望的な欧州戦線、日本兵と対峙した太平洋戦線、日本で徴兵された二世……。過酷な運命に翻弄された日系二世兵士の真実を膨大なインタビューから解き明かす。
内容説明
日本人の血を引きアメリカで生まれた「二世」。アメリカと日本、そしてヨーロッパやアジア、太平洋の島々で、二世兵士は日本人の美徳を発揮し、壮烈に戦った。その姿は、米大統領の心をも揺さぶるものだった。米陸軍史上最強の第一〇〇大隊、第四四二連隊、“米軍の秘密兵器”情報語学兵、そして日本兵になった二世、GHQ、朝鮮戦争…。未だ激戦の記憶が生々しい元兵士たちの膨大な証言から浮かび上がる第二次大戦。
目次
戦争と二世
真珠湾攻撃
日系人強制収容所
陸軍情報部(MIS)語学兵
アメリカのプロパガンダ戦略
ハワイ第一〇〇歩兵大隊とイタリア戦線
第四四二連隊戦闘部隊とヨーロッパ戦線
大日本帝国に残された二世
GHQ
占領軍、勝者の涙
朝鮮戦争
著者等紹介
柳田由紀子[ヤナギダユキコ]
1963(昭和38)年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、新潮社入社。98年スタンフォード大学他でジャーナリズムを学び、2001年アメリカに移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
18
太平洋戦争は敗戦の記録として語られるが、勝者の側でも複雑な心境を持つ人間たちへのルポ。再読。2021/02/01
calaf
12
確かに、日系アメリカ人の二世というのは、アメリカ兵として活躍したはずですね。でも、働き過ぎの日系人は、アメリカ国内では差別の対象。アメリカ兵としても...さらに、一時帰国していたものも多く、その人々は日本兵として徴兵...兄弟で敵味方に分かれたものも...いろいろ考えさせられる本です。2012/09/07
ゆずこまめ
8
ここで自分達ががんばらなければ日系人に未来はないとわかっている二世兵士の奮闘はすさまじい。偏見と差別の中、彼らは信用を自分達の命で、血で勝ち取りました。二つの国の間で、こういう闘いもあるのです。2015/08/16
ふらん
8
資料読み。日系二世がメンバーでアメリカ陸軍最強と言われた442連隊を調べるつもりが、アメリカ移民の第一号は会津戦争で敗れた武士たちやった、というトリビアに行き当たる。こんな予想外のインプットはやっぱり嬉しい。2015/06/13
Humbaba
7
第二次世界大戦において,類まれなる活躍をした二世兵士.危険を厭わず激戦地に進み,そして戦ったからこその成果であるが,それを成し遂げるためには多くの犠牲もあった.親の国と自分の国,どちらも関係の深い二カ国が争ったからこそ,その心中は複雑であった.2012/11/14
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- 和書
- 国家・階級論の史的考察