内容説明
多指症で劣等感に苛まれていた秀吉、急性驚愕反応に襲われた家康、高血圧症の信長、ジャイアント馬場顔負けの巨人である宮本武蔵、重度の糖尿病だった藤原道長、男性型脱毛症に悩むセザンヌ、アレクサンダー大王は筋性斜頚、“ヴィーナス”の外反母趾、「四谷怪談」お岩は上顎癌だった―。歴史上の人物たちを、残された肖像画をもとに、現代医学の見地から診断してみれば、アッと驚く素顔が見えてくる。
目次
第1章 あの「名作」に隠された“病い”(モナ・リザは高脂血症;宮本武蔵の巨人症 ほか)
第2章 壮絶なる戦国武将たちの肖像(秀吉の先天性多指症;驚愕反応に襲われた家康 ほか)
第3章 贅沢病ぞろいの平安・鎌倉(菅原道真の爆発反応;重度の糖尿病に悩んだ藤原道長 ほか)
第4章 江戸っ子たちの“生活習慣病”(九代将軍・家重のアテトーゼ;ニコチン中毒だった平賀源内 ほか)
第5章 西洋からの“病気カルテ”(濃化異骨症、梅毒、アルコール依存症のロートレック;ドラキュラのポルフィリン症 ほか)
著者等紹介
篠田達明[シノダタツアキ]
1937(昭和12)年愛知県生まれ。整形外科の医師にして作家。68年から「愛知県心身障害者コロニー」に務め、現在は名誉総長。一方で四十一歳から小説を書き始め、『大御所の献上品』や『法王庁の避妊法』などが直木賞候補に。医学を題材にユニークな歴史ものを得意とする
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
54
名画や彫刻・仏像、歴史上の人物の肖像画からその人物の患っていたであろう病気や暮らしぶりなどを考察。最近大河ドラマで目にする機会のあった人物の名前が登場すると思わずオッという感じになる。そして、洋の東西を問わず医学の世界にあるという患者さんのぱっと見から病状を観察するということを、仕事を離れてもやってみたり、またこういうテーマで研究している人もいるということが、本の内容と同じくらい興味深い。2014/11/22
ユウユウ
42
再読ですが、登録は初。肖像画自体がカラーでなくわかりにくいのは残念ですが、読みやすく面白いです。2018/03/28
こぽぞう☆
24
この人の著書、思わず「もう少し調べたらいかが?」と言いたくなるところがある。今回もいくつか。それはともかく、一編が短く読みやすくはあった。2016/12/16
やどかり
20
ちょっと無理がある説明もかなりあり、話半分で読むくらいがちょうどいい。2022/10/08
みんにゃりん
15
お気に入りさんの読みたい本を見て興味を持ち読了。様々な歴史上の人物の肖像だったり彫刻だったり仏像なんかを見て、モデルの病態を推理するというもの。確定診断ではないので、雑学程度にふーんっって読む本です。2014/12/02