内容説明
神、戦争、運命、友情、家族、貧富、そしてサダム・フセインまで―。素早く、簡潔に、かつ深くアラブ世界を理解するには、彼らの世界の格言を知るに限る。「追う者と追われる者は、共に神の名を口にする」「一夜の無政府主義より数百年にわたる圧政の方がましだ」など、古来より伝承され数多ある中から530を厳選。そこに加えられた著者独自の視点、解説によって、鮮明に浮かび上がる「アラブの智恵」とは。
目次
第1章 神―「追う者と追われる者は、共に神の名を口にする」
第2章 戦争―「一夜の無政府主義より数百年にわたる圧政の方がましだ」
第3章 運命―「世界は二人の人間に属した。殺された男と、彼を殺した男と」
第4章 知恵―「水を節約するようにと言われた途端に、誰もが水を飲み始める」
第5章 人徳―「あなたには名誉を。私には利益を」
第6章 友情―「歓迎されない客人は、大英帝国のようにいつまでも居座る」
第7章 結婚―「私は妻に『おまえなんか離婚だ』と言った。すると彼女は『ベッドへおいで』と命じた」
第8章 家族―「家に老人がいないなら、一人買ってこい」
第9章 貧富―「貧乏は叡知」
第10章 サダム・フセイン―「バスラの反乱以後は廃墟」
著者等紹介
曽野綾子[ソノアヤコ]
1931(昭和6)年東京生まれ。作家、日本財団会長。聖心女子大学卒。ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章したのをはじめ、日本芸術院恩賜賞ほか多数受賞
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感想・レビュー
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かおり
24
いやぁー・・・なんか、スゴい。少し怖い。でも知っておいた方がいいんだろうな。2021/02/28
金吾
20
理解しやすい格言もあれば、意味を考えてしまう格言、よくわからない格言もあります。そこが日本にいてはわからないアラブの独自性なのかなあと思いました。戦争、知恵、人徳、結婚、貧富が面白かったです。2025/02/13
G❗️襄
9
様々な格言が掲げられており、感心するもの、驚くもの、どれも興味深く大変面白い。暮らし環境、民族性、信仰など、私とは全く違うけれど、違うからこその面白さ。《アラブ人曰く》と接頭語を付ければ、どの格言も皆納得してしまう力がある。読み始めの冒頭文が私にはハマった。「インシャラー、ブクラ、マレシ」神の思召しがあるから大丈夫、明日があるし、誰も悪くない。理屈なんかない、このユルさ、これぞアラブ。コレが容認出来れば、アラブ人と上手くやれそうな気がする。正しいか分からないが、一つ学んだ。 謹偲哀悼2025/06/14
Humbaba
8
その世界のことを知ろうと思えば,そこに住む人々に聞くのが最も効果的であろう.ただし,直接尋ねた所で早々正しい情報が得られるとは限らない.だからこそ,そこでどのような格言があるのかを知ることは,考え方の根幹を知る助けとなる.2013/01/27
fumikaze
6
曽野綾子「アラブの格言」 なんとも言い難い....中途半端な気がするのはどうしてだろう。 むしろ、格言抜きでいいから実際に著者がアラブの人々について感じていることや、経験したことについて読みたいと思った。 もしかすると、それはそれで書かれたものがあるのかもしれないが...2014/08/02