出版社内容情報
人間はなぜ死ぬのか。最強の女神は誰か。「見るなの禁」とは。世界各地に伝わる多様な神話を紹介し、その豊かな魅力を語り尽くす。
内容説明
『鬼滅の刃』→インドネシア神話。『天気の子』→『ギルガメシュ叙事詩』。『FGO』→インドの乳海撹拌神話。あらゆる「妄想」が、神話の中に詰まっている。神話を読み解くと、現代のフィクションが面白くなる!
目次
第1章 神話で世界を旅する(人間はなぜ死ぬようになったのか―インドネシアの「バナナ型」神話;エロスにはタナトスがついてくる―ナイジェリア神話「カメと死」 ほか)
第2章 言葉と音と(吟遊詩人を怒らせてはいけない―ケルト神話の詩人の呪い歌;詩人になるためなら最高神も泥棒になる―北欧神話の「詩人の蜜酒」 ほか)
第3章 女神と女性の神話(エバとマリア―罪とあがない;マグダラのマリア―悔い改めた女 ほか)
第4章 インドの神話世界へ(日本人にもなじみがあるインドの神―ヴェーダの神々;三人の最高神が司る世界―ヒンドゥー教の神話 ほか)
著者等紹介
沖田瑞穂[オキタミズホ]
1977年、兵庫県生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(日本語日本文学)。神話学研究所を主宰。専門はインド神話、比較神話(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
24
インドの神話が専門で神話学研究所主宰の著者による読みやすい本。世界中の神話を扱っていて、共通点がすごく多いことがわかった。前から3という数字の重要性がどこからきているのか知りたかったが、サンスクリット語で3は完全を意味するという。(3が最小の複数だという。2は両数。)三点セットが呪術、哲学などにもよく出てくる。三神一体思想(トリムールティ)というものもある。三というのは人間を(無意識に働きかけて)納得させやすい数字なんだろう。最後にある、映画「マトリックス」のような仮想現実を生きているかも、というのは→2023/11/26
マツユキ
21
神話同士の共通点だけではなく、現代の漫画、ゲーム、映画にも、読み取れるというのは、難しいことはよく分かりませんが、面白いです。特に印象に残っているのは「見るな」関連の話。『天気の子』そんな話だったのか。それから、今回が初めてじゃないんだけど、バナナ。バナナなんだあ。でも、その頃のバナナって…?あの本読んでなかったな、と、読書欲を刺激されました。2022/03/28
わたなべよしお
19
ひとつひとつのエピソードは面白い。が、読み続けるのは少し苦労した。次々と違う話になり、常に一から読み始めなければならないからだろうか。そもそもタイトルに「53講」とあるので仕方がないのだが、教科書を読んでいるような気分になった。映画スターウォーズをはじめ、これまでも数々のエンタメが神話の要素を取り入れているのは、よく知られている。だから今さら漫画やゲームに神話的要素が入っていると言われても困る。それでも、この本でインド神話に興味がわいた。2023/07/14
サケ太
18
神話の世界は面白い。「バナナ型」のい神話が個人的に好き。昔の話なのに、新鮮に感じる部分がある。様々なものが、関連し基礎となっているのを感じる。2022/11/01
ATS
16
世界のさまざまな神話を紹介しており各神話の共通点や現代との関連性などを記している。神話が好きな人にはたまらないだろうし創作などの一次資料としての価値もあると思う。しかしながら読み物としてはあまり面白くなかった。神話の羅列がずっと続いているような感じで食傷気味になり、かつ聞きなれないカタカナ(氏名や地名など)が頻出して2、3話読むとあっという間に眠くなってしまう。2023/11/26