出版社内容情報
意味より「かたち」、大?にこそ宿るリアル。お行儀のよい演劇鑑賞ではなく、背筋がぞわぞわするような「芝居見物」のコツ教えます。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KUMYAM@ミステリーとSF推し
5
シネマ歌舞伎からハマりつつあるところ。でも舞踊についてはなにをどう楽しめばいいのかさっぱり解らずにいたのが、少しヒントをもらえた気がする。2017/09/10
南北
4
「歌舞伎入門」となっていますが、何回か歌舞伎を見たことがある人が読むとなるほどと納得できるところが出てくると思います。何十年も歌舞伎を見続けている著者ならではの視点でわかりやすく歌舞伎を解説しようとしていますが、実際に見たことがないとなかなか実感しにくいのではないかと思います。ゴレンジャーの名乗りを上げるシーンは白波五人男から来ているなど、一般的な歌舞伎入門には見られない視点もあります。実際に見るのが一番ですが、映像でもいいので、本書で取り上げられている作品を見た後で、本書を読むことをオススメします。2019/02/01
mamiko_w
4
おもしろい!そうそう!そうです!と思うところがたくさん。「歌舞伎ってなにがおもしろいの?」と聞かれて曖昧に笑って「えー…かっこいいしー」って言う、曖昧な笑顔の意味がここにあるって感じでした。2017/10/19
筋書屋虫六
3
著者の飄々とした文体とゴレンジャーにまで触手を伸ばすサービス精神に油断して読み進んでしまいますが、これ決して入門書ではナイと思います。400年という時間をかけて洗練もされ、またご時世や変化する大衆の感性に影響されつつ歪みながら、時々の俳優の身体を媒体として発展してきた歌舞伎。すこし興味をもって通い出すと、同じ芝居を別の俳優が演じる面白さ、世界や趣向などの奥深さを知り、決まり事なんかも気になってくる…そんな感じになった時、この本は立体定規を使うように解説くれて、痒いところを心地よく掻いてくれます。きっと。2017/10/30
お抹茶
2
歌舞伎初心者が読むと,歌舞伎の奥行きの広さを実感できるはず。江戸時代の芝居小屋は照明が乏しく,化粧や扮装が役の性根を直接的・総合的に表現することもあって,厚化粧は役者の顔や表情をくっきり浮かび上がらせるのに絶大な効果があった。言語に置換できる意味を汲み取れない歌舞伎の様式に観客は感動する。義経千本桜の巧みな物語展開と世界について論じた部分を読むと,古典として何度も上演される理由がわかる。舞踊はあらすじのような「文章の正確な意味」ではなく,景色という幻を体の美しさで見せるもの。2021/06/18