出版社内容情報
あの大長篇小説に込めたプルーストの巨大な芸術的構想と秘めたる思い。著者がヴェネツィアに旅して確かめた〈黒衣の女〉の謎とは?
「黒衣の女」とは誰か? プルーストが込めた芸術的野心と個人的な思慕とは? 『源氏物語』にも比せられ、『ユリシーズ』と並ぶ二十世紀最大・最強の長篇小説。しかし一万枚を超す長さと、文章の複雑さゆえに読み通すのが容易でない本。その真の魅力と、作家が隠蔽しつつも書き残した謎を、ヌーヴェル・クリティックの第一人者が初めて説き明かす。プルーストの姿を追って旅したヴェネツィアで見たものとは?
内容説明
角田光代氏と『失われた時を求めて 全一冊』を編訳した著者は、原文を詳細に辿るうちに、プルーストが込めた秘密の思いに気づく。ラスキン、ベルクソンから最新の研究まで文献を渉猟し、ついにはヴェネツィアへ飛んで、わが目で確かめたものとは―?テキスト論の第一人者が、従来の批評スタイルに拘らず、大名作を縦横無尽に論じた文学的冒険の著。
目次
冒頭の一句について
「私」が窓辺にたたずむと…
“私”という形式、あるいは犬になること
モネを超える試み
メタモルフォーズ 隠喩的な錯視
小説という場所
描写のネットワークを読む
方法としての記憶
石への傾倒 小説を書く
死んでいる母と「ひとりの女」
ヴェネツィア紀行
知覚を宿す平面 プルーストとベルクソン
著者等紹介
芳川泰久[ヨシカワヤスヒサ]
1951年、埼玉県生まれ。早稲田大学大学院後期博士課程修了。早稲田大学文学学術院教授(フランス文学、文芸評論)。ヌーヴェル・クリティック、テクスト論と呼ばれる批評ジャンルの第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
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