新潮選書<br> 私家版 差別語辞典

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新潮選書
私家版 差別語辞典

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036798
  • NDC分類 361.8
  • Cコード C0395

出版社内容情報

「差別語」はなぜ生まれ、なぜ消えていったのか?……“路地”に生まれ、深く見つめてきた著者だからこそ書けた、「言語」たちのすべて――。

内容説明

被差別部落に根ざす隠語、あるいは心身障害、職業、人種にまつわる言葉をめぐり、語源や歴史的背景、どこでどのように使われてきたのかなどを具体的に解説。また、抗議と自主規制により「消された言語」となってしまった現状も抉る。“路地”に出自を持ち、「差別の現場」を精力的に取材し続け深く関わりを持ってきた著者だからこそ書けた、「言葉」たちのすべて。

目次

路地
心身障害者
職業
その他

著者等紹介

上原善広[ウエハラヨシヒロ]
1973年、大阪府生まれ。大阪体育大学卒業後、様々な職を経た後、ノンフィクションの取材、執筆をはじめる。2010年、『日本の路地を旅する』(文藝春秋)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

43
「辞典」となってますが、ひとつひとつの言葉を単に説明したものでなく、その成り立ちや使われなくなった変遷などルポ風文章で書かれているので読みやすい。昭和の半ばまでは意味もよくわからず普通に使っちゃってた言葉もあって消えていき方が興味深かった。こういう言葉の問題って何が何でも使用自粛って態度より、よくBSで古い映画を放送するときに「不適切な表現があるけど製作者の意図を尊重して云々」みたいなテロップ出してそのまま放送するくらいの塩梅がいいかなあと思うな。考えるきっかけになるし。2016/04/26

国士舘大学そっくりおじさん・寺

15
上原善広を初めて読んだ。私と同い年ではないか。そこからまず共感。差別の歴史が語句ごとに簡潔に語られてわかりやすい。何より面白い。『路地』『心身障害者』『職業』『その他』の四章からなるが、『その他』ではルポルタージュや上原さん本人を知る部分もあり考えさせられる。後書きにある様に、『人はみな、何らかの差別にさらされている。』同感である。人間は差別をする。される。だけれどもより良く生きなくては。2013/04/27

三柴ゆよし

13
たとえば中上健次が描くところの「路地」。中上が小説を書くにあたり、この言葉に込めていたであろう意味(この言葉をいわゆる「被差別部落」の意味で使用したのは中上が最初だとされる)について、小説を読んだ私は、多分真剣に考えていなかった。それはひとつの文学上の表現であると同時に、中上自身の思想を体現する言葉であったはずだ。当たり前のことだが、言葉は差別しない。その意味でいえば、「差別語」という言葉自体が、不当な扱いを受けているとはいえまいか。著者の真摯な姿勢にも胸を打たれた。良本。2011/05/26

4fdo4

9
著者が言いたいことは「差別語」を一括りして”悪” それを「言換え語」にすれば”善”というのは暴論であり、思考停止である という点に有る。 なぜその言葉が差別語となったのか? 言葉を隠せば差別がなくなるのか?否か。 かなり深いところをついてくるのは著者の生い立ちによるところも大きいが これだけの数の差別語を分かりやすくまとめた本も なかなか無いであろう。 2015/03/29

mustache

7
これまで読んだ上原善広の著書の中で、彼自身の差別への姿勢が一番鮮明に出ている書。人はみな何らかの差別に晒されているからこそ、差別されること、差別されて傷つくことを恐れてはいけない、差別を押し殺すことによってもたらされるのは、ご立派な建前論の横行とより陰湿な差別、そして卑劣な言いかえに過ぎないと断じる上原は、差別用語として糾弾され、表現の場から消えていった「言葉の名誉回復」を本書で試みる。確かにこれは誰でもできることではないかもしれないが、誰かが手がけなければならなかった作業ではないか。2016/06/24

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