出版社内容情報
人類は、昆虫なしでは生きられない!その抜群の環境適応力、優れたデザインや機能を農業・工学・医学分野に応用し、新たな未来を拓く革新的な研究成果。
内容説明
生態系で重要な役割を担い、産業にも欠かせない大切な存在でありながら、害虫という一面も持つ昆虫。その生態を科学的に分析した環境保全型の新しい害虫管理法や、チョウの翅の超撥水性、アメンボの水面滑走メカニズム、アリの情報伝達システムなど、昆虫の優れたデザインや機能を、農業・工学・医学などさまざまな分野に応用する、革新的な研究成果。
目次
第1章 昆虫とはどんな生物か
第2章 昆虫たちのみごとな進化
第3章 昆虫が群れるわけ
第4章 生態系における大きな役割
第5章 地球温暖化センサーとしての昆虫
第6章 昆虫と人類の闘い
第7章 害虫を上手にコントロールする
第8章 バイオミミクリー革命と昆虫
著者等紹介
藤崎憲治[フジサキケンジ]
1947年福岡県生まれ。京都大学大学院博士課程単位取得退学、沖縄県農業試験場主任研究員、岡山大学農学部教授を経て、京都大学大学院農学研究科教授。専門は昆虫生態学・応用昆虫学。農学博士。日本応用動物昆虫学会会長、日本学術会議応用昆虫学分科会委員長として、昆虫学や応用昆虫学の発展と普及に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2022/06/13
さんとのれ
1
どちらかというと害虫として意識することのほうが多い昆虫という存在だが、自然界におけるその役割と影響は、地球そのものと呼びたいほど大きい。昆虫と共生する形の害虫コントロールから、昆虫の有するシステムやメカニズムの医学、工学への応用まで、自然から学べることはまだまだたくさんある。2015/01/10
たくのみ
1
害虫駆除から害虫管理という発想へ。脊椎動物が陸上に上がって生活できたのも昆虫のおかげ。4億年も生きてきた生命の先輩であり、進化の見本市のような、虫の生態と進化のからくりのお話。個人的には真社会性の群れのフェロモンによる管理と近親交配のところが面白かったけど、自然界の力での技術革新(バイオミミクリィー)のほうががとっつきやすいかも。2012/12/11
ねるねんこ
0
人間社会で生活していると観念的思考に陥りがち、昆虫の生態は自然の最大可塑性を表しているようでいい刺激になった。 人間が自然に介入して起こる、連鎖のインパクト。害虫を殲滅せず密度を低下させて維持する重要性、作物に見栄えを求めないこと。生態的誘導多発生。 森が生き物を呼び寄せる。 バイオミミクリー、バイオミメティクス、工学と生物学の融合の必要性。例、エアコン完備のキノコシロアリの家。 昆虫を題材に理科系科目を総合的に学ぶ、 http://www.vita-insecta.com/ 昆虫科学連合。 2017/03/21