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新潮選書
戦後日本漢字史

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036682
  • NDC分類 811.2
  • Cコード C0381

出版社内容情報

GHQによるローマ字政策から、「書く」よりも「打つ」文字になった現代まで――様々な事情に振り回されてきた漢字使用の変遷をたどる画期的日本語論。

内容説明

昭和20年、日本にやってきた占領軍は、何千という文字を使いこなさなければならない漢字を「民主主義」の障害と考え、国語のローマ字表記を提案した。その後、漢字の使用を制限した「当用漢字表」、使用の目安へと転換した「常用漢字表」を経て、29年ぶりに刷新される「改定常用漢字表」まで、「書く」文字から「打つ」文字となった変遷を辿る日本語論。

目次

第1章 終戦と漢字(国語ローマ字化への模索;当用漢字表の制定;それからの当用漢字表―「別表」と「音訓表」)
第2章 常用漢字表への道のり(人名用漢字の制定;それからの「当用漢字表」;表音派と表意派の対立;常用漢字表の制定)
第3章 「書く」時代から「打つ」時代へ(機械で書けない文字;「〓(おう)」と「鴎」―表外字の字体
表外漢字字体表)
第4章 「常用漢字表」の改定(「己」と「巳」は同じか;「改定常用漢字表」における目安)

著者等紹介

阿辻哲次[アツジテツジ]
1951年大阪生まれ。京都大学文学部中国語学中国文学専攻卒業。同大学大学院博士課程修了。現在は京都大学大学院人間・環境学研究科教授を務め、文化庁文化審議会国語分科会漢字小委員会委員として新たな常用漢字表の作成にも参加した。古代文字学についての知見と、パソコン・ワープロという現代テクノロジーの媒介としての漢字を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロア

31
とてもスリリングでした。「平仮名やカタカナだけ、もしくはローマ字しか使ってはいけない」なんて事にならず本当に良かった!良識ある人々が諦めずに軌道修正し続けてくれたお陰ですね。その当時の権力ある立場にいた人達によって、無責任に破壊されてしまった漢字がいくつもある事が悲しい。面倒だし全部「ツ」表記にしちゃえとか、この点は無くてもイイよね取っちゃえとか。。。それによってその漢字が本来持っていた意味が損なわれてしまった。何十年も経った今、一度破壊されてしまった文化はもう元には戻らないんだよ(´_`。)2016/07/11

アセロラ

5
戦前、明治の頃から漢字廃止論があったとは、驚きました。また、国民生活における漢字の負担を軽減する目的で、使う漢字を少なくする、漢字を省略した簡易字体で書くなどの試みもあったようです。難しそうな内容ですが、わかりやすい文章で漢字の歴史がよくわかります。メール、インターネット、SNSなどの普及で、手書きではないとしても、多くの人が文章を書くようになったのは素晴らしいことだと話しています。2020/06/19

奇天

4
今でこそ廃れた感のある漢字廃止論。暴論のように感じてしまうが当時はその必要性を信じる者が多かったのだろう。字体については良くも悪くも定着してしまったので今更元に戻すことは無理だろう。今後は字体の多様性をどう認め、印刷やコンピュータ&Web上でそれを表現できる環境を整えていくのかが大切だと思う。2011/04/09

近衞孝親

2
今まで断片的に理解していた、日本における漢字の取り扱いの変遷について、時系列に、なおかつ背景を整理して理解し直すことが出来た。漢字に興味のある人には、一読を勧めたい。2013/01/20

ホウジ

2
戦後の日本は、国語から漢字を廃して仮名やローマ字など、表音文字のみで表すべきだという論が声高に叫ばれていたらしい。当用漢字表も、公文書や新聞、教育から漢字を大幅に制限するために作られた。また、その際に漢字の学習効率を上げることを理由に、字源を鑑みない無謀な簡略化が多数施された。今でこそ新字体として膾炙しているが、この改悪は個人的に本当に残念に思う。とまれ、戦後から近代までの国内漢字事情は思いの外、多くの紆余曲折があって現代の形になったのだと思った。そして、今後の変化にも興味を持って見届けたい。2011/01/12

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