新潮選書
処女の文化史

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036095
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0322

内容説明

長く絶対の証だと信じられてきた処女膜の有無も、「処女か否か」を決定づける証拠とはならない。「初体験」がアナルセックスの場合、それを「処女喪失」と言えるのか?西洋文化において処女は、科学的根拠のないまま、「純潔の証」「身体への害毒」「富の象徴」など様々に語られ定義づけられてきた。時代の倫理と欲望に振り回された「処女イメージ」とその歴史。

目次

第1章 処女とは?(医学的視点)(処女膜は処女膜じゃない?;処女性の印;処女性は体に毒?;ヴァージン・ビジネス)
第2章 世界の救済(キリスト教的視点)(肉体と魂;処女と妻;宗教改革と処女性;純潔の熱望)
第3章 処女の多義性(文学的視点)(はじまり;ペンとページ;処女性をいかに読むか;処女喪失;独立した処女たち;不自然・時代遅れ;異様な処女性;エンディング)
第4章 公益に対立する処女性(政治的視点)(君主と処女性;処女のテリトリー;市場における処女性;女性の公的地位)
第5章 処女性の未来(結論にかえて)(性政策;純潔の教え;アメリカの性教育;禁欲主義の未来)

著者等紹介

ベルナウ,アンケ[ベルナウ,アンケ][Bernau,Anke]
1971年ドイツ生まれ。幼少時にイギリスに渡る。現在、マンチェスター大学准教授。専門は中世文学・文化、ジェンダー研究

夏目幸子[ナツメサチコ]
1969年和歌山県生まれ。パリ第四ソルボンヌ大学・京都大学文学博士。元大阪外国語大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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シルク

9
今年も残すところ2ヶ月とちょっととなりました。ぼちぼち、年末年始の準備を始めましょうか。もっと具体的に言えば、「年末年始、ゴロゴロしながら何読むか、考え出そう~」ということ。ここ数年、年末正月は旅に出て、旅先で心ゆくまで本を読む♡ という過ごし方をしている。読んで食っちゃ寝、読んで食っちゃ寝。充実した休みの為、何を持っていくかが重要となってくる。去年は本の冊数が少なくて、「読む本なくなる!」という危機に陥った。あれを繰り返すまい。持って行く本1冊目、2年前の正月に読んで無茶苦茶面白かった記憶のあるこちら♡2018/01/03

かす実

3
様々な側面を切り口に処女性について論じる文化研究、しかしその裏には、女性蔑視の根深い歴史を告発せんとする著者の明確な主張が見えて面白い。「どうしても処女童帝のままでいる苦しみに耐えられない愚かな人間のための救済措置として結婚制度がある」というキリスト教(の一部?)の考え方、歪みすぎてて笑える。処女性は単に男性社会にとって望ましいだけのものではなく、誰の妻でも母でもない(家父長制の外にいる存在)という点で恐れられたり、完璧な清らかさと強さの象徴として男性社会に女が立ち向かう際の盾となったりする。2021/08/08

愛庵九郎

3
非知的好奇心から手に取ったものの、自分はあまり得るところがなかった。「処女の文化史」を記述することで何を目指し、そのことにどの程度の意義があるのか不明瞭でつらい。「伏した目」が「慎み深さ」を表すという分析や、「純潔」の女が男の欲望の対象となったとき、しばしば女が「淫奔」であることに責を負わせる暴論がまかり通ることがあったことや、『修道士マリアのおぞましい打ち明け話』など、部分的に面白くはあった。2015/04/22

tooka

2
宗教家の「オレの方が敬虔な教徒だ」というチキンレースのネタに女の性が採り上げられて、後から別の理由が付加されていったという流れかな。2008/12/30

じろう

1
処女の性にまつわる話ばかりでいささか食傷。古今西西色んな話集めてある。アジアの話がもう少しあってもいいじゃないか。第一章:童貞は辛いものと思っていたが処女も辛いんだね。第二章:宗教は女性差別の根源か?第三章:男も馬鹿だ。第四章:政治的視点というが半分はレイプに関する記述。2022/01/19

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