新潮選書
二十世紀から何を学ぶか〈上〉一九〇〇年への旅 欧州と出会った若き日本

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  • サイズ B6判/ページ数 241,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106035814
  • NDC分類 280.4
  • Cコード C0395

内容説明

二十世紀の到来を、若き日本人たちは欧州各都市でどう見たのか。パリ万博を訪れた『坂の上の雲』の主人公・秋山真之、留学途上の夏目漱石。ロンドンには南方熊楠、ウィーンには青山光子―。欧州の新しい息吹を熱い思いで受け止めた彼らの精神を、「二十一世紀への眼」という遠近法で凝視し、現代を問うた渾身の書『一九〇〇年への旅』、選書版で再登場。

目次

第1章 一九〇〇年パリ
第2章 一九〇〇年ロンドン
第3章 一九〇〇年ウィーン
第4章 一九〇〇年ローマ
第5章 一九〇〇年マドリッド
第6章 一九〇〇年ハーグ
第7章 一九〇〇年サンクト・ペテルブルク
第8章 一九〇〇年ベルリン
終章 一九九九年世紀末に向う欧州

著者等紹介

寺島実郎[テラシマジツロウ]
(財)日本総合研究所会長、(株)三井物産戦略研究所所長、三井物産株式会社常務執行役員、早稲田大学アジア太平洋研究センター客員教授。1947年北海道生まれ。73年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。同年三井物産に入社。調査部、業務部を経て83年より米ブルッキングス研究所(在ワシントン)へ出向。その後、米国三井物産ワシントン事務所長(91年)、三井物産業務部総合情報室長(97年)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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あちゃくん

8
1900年前後のパリ・ロンドン・ウィーンなどヨーロッパの各都市を俯瞰し、そこに留学した日本人のエピソードなどを交えつつ、描き出した一冊です。歴史を捉えるときに、その流れは単一的・直線的ではなく、いろいろな要素が折り重なって大きな流れとなるんだなと改めて感じました。歴史を時系列で追うのではなく、同時代をいろんな都市にスポットライトを当てて描き出すことにより、より複合的な流れを感じることができました。2013/06/22

ykoro

6
明治時代に活躍した日本人の具体的な姿がわかり面白く参考になる。「技術は学ぶが精神・思想は譲らないぞ - 日本が西洋に学ばなかったことを見極めていきたい」南方熊楠は面白い。情報収集と考え抜く「脳力」、「ネーチャー」に寄稿など。「世紀末都市」ウイーンと青山光子。次男のリヒャルトが「パン・ヨーロッパ」で民族を超えた連邦制を構想。「明石工作」など。2017/04/23

なおこっか

2
こんな本が読みたかった。二十世紀の欧州各都市を輪切りに、当時日本から欧州にアクセスした日本人…政治家、軍人、文化人…と、時代を体現した欧州人の両面から縦横の視点で紡がれた本。日本が行ってきた欧州模倣の経緯と頓挫が詳らかになっていて、歴史ものとしても面白い。和魂洋才、などと謳い上っ面しか欧州を見て来なかった日本人が民主主義の本質的理解ができていないとの指摘は痛い。同時に明治の日本人が情報を重視した先見性にもうたれる。2012/08/19

momo

1
明治の日本人が時代と如何に真摯に向き合っていたか、考えさせられる良書。歴史・時代認識も改められる。2011/08/19

じろう

0
フランスのジャポニズム、ダイアナ現象、川上音二郎の日本イメージの形成への貢献(?)など面白い考察がいろいろあった。民主党政権が終わってから寺島市の姿をマスコミで見ることは少なくなったが優れた評論家であると思う。2017/06/21

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