内容説明
温泉文化は、江戸時代に花開いたといわれ、江戸を知ることでこそ、温泉の「今」が一層わかる。徳川家康の熱海湯治で幕開けした江戸の温泉が、医療、科学、ヴァカンス、遊興…の各分野で発展していく姿を、あまたの古書や資料で紐解く著者の姿は圧巻。ホンモノのお湯を求める日本随一の“温泉教授”がたどりついた温泉学は、ここに結実した―。
目次
第1章 将軍様と熱海温泉
第2章 江戸の温泉ブーム
第3章 江戸温泉物語
第4章 温泉医学の祖、後藤艮山
第5章 その後の江戸の温泉事情
第6章 江戸の温泉学の結実
第7章 温泉の原点、湯治
第8章 温泉化学の勃興と敗北
第9章 近代化する温泉
第10章 失われゆく温泉学
著者等紹介
松田忠徳[マツダタダノリ]
1949年北海道洞爺湖温泉生まれ。東京外国語大学大学院(モンゴル文学専攻)修了。文学博士。旅行作家・札幌国際大学観光学部教授(温泉文化論)。「温泉教授」の異名で知られる温泉学の第一人者で、全国の温泉地活性化の指導を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
13
北海道の温泉地で育った著者が、我が国の温泉が湯治という医療文化と共に高度に発達した江戸時代迄の姿を紹介し、更にそれが劣化に至った今日を慷慨する本。街道筋にあって徳川開府以来盛業を極めた熱海と、地理的劣位にも拘らずそれを凌いだ箱根の歴史に始まり、古来天皇貴族の栄えた有馬温泉とそれを逆転した僻遠温泉地城崎を述べる。伝統湯治法に係る共通した習慣の合理性を紹介するが、近代に至りその湯治文化が西洋医学の偏った導入で失われ、立法と行政が更に混迷を助長する現状を嘆く。欧州では湯治が医療として保険の対象にもなるにも拘らず2024/12/11
かれーらいす
1
温泉の文章によるハードコアは後藤によって始まったことを噛み締めました2024/01/04
takao
1
ふむ2021/02/27
ZED
0
日本独自の医学があったのだがやはり自信がなく現在は伝統として扱われている。日本人をもっと健康にできると思った2011/07/22