内容説明
北山殿・義満の金閣寺、東山殿・義政の銀閣寺は、室町時代を代表する名建築である。寝殿造から書院造へ、和風と禅宗様をミックスした異形の楼閣を、柴田秋介が荘重に写し撮る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
9
個人の感想です:B。会社の催しで「しょうざんリゾート」で食事会をしたことはあるのだが、隣接の金閣寺の本物は見たことがない。『金閣寺』新潮文庫新版解説の恩田陸さん同様、私もプラモデルで見た口。三島が書いている放火前の青年僧の語る金閣の美しさをよみながら、本書の写真を眺めて納得した。杉本苑子さんのエッセイも『新とはずがたり』や私の愛読書『華の碑文』にも触れていて嬉しい。放火後5年目の1955年にいち早く再建された姿は2階の外装、金箔の具合など、三島作品とはかなり異なっているようだ2022/04/13
chang_ume
8
解説は宮上茂隆。鹿苑寺舎利殿(金閣)と慈照寺観音殿(銀閣)の前身建物に関する復元研究が主で、各建物の現状とは大きく異なった姿・構造を大胆に推論していく。各階連結構造における弱点の存在を、現建物の「改造」の主要な根拠とするようで、金閣では二階と三階、銀閣では一階と二階の構造が問題となる。そして現金閣は北山殿「釣殿」を戦国期に改造したもの、そして現銀閣は高倉殿「亭」(庭園建築)の移築改造と結論づける。とはいえそれらを直接的に物語る史料はなく、提示された復元イメージの一人歩きがやや心配に思った。1992年刊。2021/09/24
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