出版社内容情報
煉瓦造りのレトロビル、堂々たる破風を持つ洋館、エロス漂うレリーフ……。この街は近代建築がおもしろい! 独自の視点で案内する驚き必至の建築めぐり。
内容説明
三条通にレトロビルが多いわけ、ご存じでした?“東京遷都”以後、西洋の新風を貪欲に先取りしてきたこの街は、実は近代建築が見どころ満載。京都生れの建築史家が、かなりイケズな視点で案内する、驚き必至の建築ガイド。
目次
1 保存か開発か―ゆれる京都をたのしもう
2 神様仏様キリスト様―復古と欧化のはざまには
3 和のゆくえ―千鳥破風や唐破風をおいかけて
4 建築史のお勉強―クラシック、ゴシック、そしてモダン
5 エロスのたわむれ―ヌードの乱舞と風俗街
6 安藤忠雄と若林広幸―京都で仕事をするということ
著者等紹介
井上章一[イノウエショウイチ]
建築史家。国際日本文化研究センター教授。専門は建築史、意匠論。風俗、意匠など近代日本文化史を研究。建築、美人論、関西文化論、人形論ほか幅広いジャンルにわたって、ユニークな視点で日本文化について発言している。1955年京都府生れ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。『つくられた桂離宮神話』(講談社学術文庫)で1986年度サントリー学芸賞、『南蛮幻想―ユリシーズ伝説と安土城』(文藝春秋)で第49回芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
101
以前から京都には明治期の建築をはじめとした、モダンな建物が多いとは思っていたが、こうしてあらためて概観すると、きわめて興味深いものがある。しかも、井上章一の語りがまた面白い。しかも、こんなのもあったんだと目を開かせられるものも。例えば、龍谷大学の大宮校舎など。建物内部も、まるでキリスト教会の礼拝堂のようだが、中央に仏壇が鎮座していたりするのである。 2012/02/27
コットン
75
ヴォーリズ設計の東華菜館を観て、以前読んだ本に:禁酒が当たり前のキリスト教伝道師だった彼に酒は出さない店として設計をお願いし、過剰な装飾空間で楽しげになっているという意味合いの文章があったけれど、ヴォーリズはそれぞれの要求に答える設計者としての魅力があったんでしょうね。←読んだ本の感想になってないや;(^=^);2013/10/05
ねむねむあくび♪
51
図書館の本。筆者は関西のローカルニュース番組でもお馴染みの井上章一。ちょっと出たがりなのね…(  ̄▽ ̄)この本にも建築と一緒のどや顔で登場してます…。写真が多くて楽しく読めたが、記事と写真が離れている箇所があちこちで、若干読みづらい、文章も悪のりが、、、フンドシ保存ってΣ(゜Д゜)。建築に親父ギャグの変なイメージを付けるのはやめて欲しいなあ(  ̄▽ ̄)筆者はともかく、京都の建築の写真が楽しめて良かった。2013/10/05
きつねこ
39
寺社仏閣だけではないレトロモダンな京都がたくさん。表紙の菊水の『つるつる滑る』ところが大きく見えてよかった(笑)。さらさ温泉→かつての藤ノ森湯と船岡温泉は、ぜったい大昔浸かったことがあるはず。バイクで銭湯巡りしていたもん。ぜひも一度行きたいなあ~。あと、エロスな京都が面白かった。京大の時計台のとこの、『裸で絡まりあう男女』。今度は本物をみなくちゃね(昨日、吉田神社いくのに通りがかてたのに余りの暑さとお疲れいっぱいで探す気になれなかった~。今日思えば失敗だったなあ)2015/05/03
mahiro
26
京都はお寺ばかりではくレトロな洋館があちこちに有り、手を加えたりしながら現役の建物が多いのも嬉しい、この本は三条通りや博物館や同志社など有名どころは押さえてある。表紙にもあるレストラン菊水は亡き父を京都観光に連れて行った時に偶然入りランチをした所で、とても喜ばれた記憶があり懐かしい。2021/09/13