内容説明
「弱虫、卑怯者、駄目人間」の弟子たちが、いかにして改心し、死をも恐れぬ神の使徒となったのか?―遠藤周作が読み解いた師弟の魂のドラマでたどる、キリスト教誕生史。
目次
第1部 イエスと弟子―魂のドラマ(イエスの生い立ち;イエスがえらんだ十二人;イエス最後の五日間「エルサレム入城」;「最後の晩餐」で何が起こったか?;死へのカウントダウン「オリーブ山の祈り」;ユダの裏切り、ペトロの否認;この人を見よ!さらし者イエス;処刑地ゴルゴタへ「十字架の道行」;「復活」―師よ、おゆるしを)
第2部 「十二使徒」列伝(ペトロ;アンデレ;ヤコブ;ヨハネ;マタイ;トマス;ピリポ;バルトロマイ;シモン;小ヤコブ・タダイ;ユダ)
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923(大正12)年、東京生れ。幼年時を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応義塾大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没
遠藤順子[エンドウジュンコ]
1927(昭和2)年、東京生れ。慶応義塾大学仏文科卒。1955(昭和30)年、遠藤周作と結婚
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感想・レビュー
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かおりんご
39
12使徒に焦点を当ててまとめてあるので、大変わかりやすい。イスカリオテのユダだけが悪いのではなく、ぺテロだって心が弱かったんですよね。遠藤が描くユダが好きだと感じました。イエスが訪れただろう土地の写真や、宗教画などが紹介されていて、オールカラーで楽しめました。遠藤のイエスの話を読み直そうかな。2017/02/20
Nat
37
遠藤周作が読み解いたイエスの生涯と12使徒について多くの絵画や写真と共に解説している。12使徒1人ずつのイエスとの関わりやイエス死後の活動、殉教の様子などがよく分かった。2022/02/06
たつや
36
遠藤周作が読み解いたイエスの生い立ちから死までと、12使徒の解説本です、絵画や写真も多く、とにかく、イメージを掴みやすいので、私には合いました。いい本です。ユダが嫌な奴であり可愛そうでもありました。2016/09/18
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
31
イエスとその弟子たちを、遠藤周作の小説「イエス・キリスト」と彼らをモチーフにした絵画で紹介した本。 絵画集のようなテイストだったので、タイトルから想起されるイメージよりもずっと易しい。読んだというより眺めたという感じだったが。 幼い頃日曜教会に通っていたのと高校がクリスチャン系だったのとで聖書には馴染みがあるため、さらっと読めた。 弟子たちの話を読むたびに「聖☆おにいさん」のあいつらが脳裏に浮かんできて何度も吹き出しそうになった(笑)2018/03/28
aisu
16
ガリラヤ湖やユダの荒野などの写真があり、2000年前もこんな感じだったのかもと思ったり。美しい写真、名画と遠藤周作の文章で辿るイエス・キリストの生涯と12人の弟子たち。2022/04/04