内容説明
「京都らしい閑雅な趣を失った所も少なくない」とかの永井荷風を慨嘆させたのは1世紀前。今また巨大“軍艦”駅も誕生し、景観論争が喧しい。時代とともに変貌をとげる古都の姿を、今に残る貴重な写真と文人墨客の名文とで回顧する。懐かしく、驚きにみちた古都の面影が郷愁をさそい、旅心をかきたてる。
目次
第1部 旧き都の原風景(鴨川と東山三十六峰;嵯峨野遠望;渡月橋 ほか)
第2部 近代都市への変貌(祇園石段下の変遷;近代化三大事業の遂行;鳥丸通の変貌 ほか)
第3部 橋づくし(王朝の面影を漂わす宇治橋;近代化を象徴した四条大橋;京の貌・三条大橋 ほか)
第4部 市井の賑わい(消えゆく女人風俗;御霊信仰の祇園祭;古代をしのばす葵祭 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
6
これは面白かった。京都の観光がこれだけ盛んなのは理由がある。活性化に努力した歴史があった。日本で最初に電車も取り入れ道もどんどんと広くして行った。高層ビルで大論争になった時、京都の人々は景観を守るのもいいけど保守的なのかと思っていたが、それは大間違い。日本でも先進的な人々だと分かった。それにしても冬寒く夏暑いわけだから、谷崎潤一郎が一時期住んで呆れて出て行ったという。貴族の人々の暮らしぶりを甘く見ていたと気づいた。一体暑い夏の中でどんな格好をして過ごしていたんだろう。裸になれないんだろう?2015/08/13
たか
5
比較対象に掲載されている写真は明治、大正が多い。60年代、70年代あたりの写真を見たいなー。2016/11/11
takao
1
変わらぬものがある。2016/11/15
アイ
0
昔の写真とくらべるのたのしい。いまさらだけど写真が残ってるってすごいやなあ…幕末あたりからだけだけど。町や川はけっこう変わるけど、山の稜線とかはびっくりするくらい変わってないのが、あぁ歴史は本当なんだなーと実感。2012/06/18
金木犀
0
1997.9初版 新潮社 とんぼの本