内容説明
異国の地で悲劇に遭遇した若き英国商人の足跡をたどり、前人未到の英国側史料から生麦事件の全容を描く労作。
目次
リチャードソン家族史の探索
上海の英国租界
アスピナル・マッケンジー商会
エルギン卿使節と日本開港
生麦事件の英国人関係者
若き日のアーネスト・サトウ
上海・横浜航路
リチャードソン殺害
慎重な代理公使
行動する領事〔ほか〕
感想・レビュー
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志村真幸
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生麦事件で犠牲者となったリチャードソンについて、その出自、経歴、家族、さらには事件後の一族の行方まで調べつくした本である。なぜリチャードソンというイギリス人が幕末の日本におり、殺されることになったかがよくわかる。 また、当時のイギリス領事やアーネスト・サトウについても詳述され、イギリスの側から見た生麦事件が描き出されている。 イギリス史や英文学の研究者が読むと、とてもおもしろいと思う。 一方で事件そのものはなかば小説のように書かれている。まあ、そこは無数の研究があるからいまさらということなのか。2018/08/08