内容説明
多くの人々に受け入れられた分類体系は、ある時代と地域の思想・文化をうつし出したもの。確立されたと思われている、生物の分類とてその例外ではない。分類するとはどういうことか、いったいその根拠はどこにあるのか。様々な事例を示しながら、その素朴な疑問を解き明かす。構造主義生物学の俊英による分類学事始め。
目次
第1章 名づけることと分類(なまえとフェティシズム;コトバは思考をしばる;コトバは何を指すのか)
第2章 何をどう分類するのか(客観的な分類方法はあるのか;生物分類の歴史;みにくいアヒルの子の定理)
第3章 進化論が分類学に与えた衝撃(現代分類学の3つの学派;進化のプロセスにもとづく系統分類;リンネの呪縛から逃れられない系統分類)
第4章 新しい分類学を求めて(DNAから見た系統学;構造主義分類学の提唱)
第5章 まとめ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
テッテレこだち
2
構造主義生物学という面から見た分類の方法論についての科学エッセイ。序盤で構造主義の考え方について説明した後、構造主義の立場から、生物学におけるさまざまな分類の手法の紹介と批判を行ったもの。古い本なのでちょっと表現に時代を感じるが読みやすい方に思う。人間の認識方式と科学的実在のすり合わせの説明、ちょっと現象学みたいだった。2024/05/28
ymazda1
2
この本とは関係ないけど、小学生のときに図鑑を見てて、サメとイクチオサウルスとイルカは似てるのに、なんでおんなじ仲間じゃダメなの?みたいな疑問を抱いて以来、こういった本をたまに読むと安心してしまうようになってしまった。。。
あだこ
2
物事を理解して秩序立てようとすると分類はせざるをえない。だからこそその方法や基準の選択には最新の注意を払わなければならない。なぜなら現状や直感とあまりに相性が悪い分類がされてしまうと、それ自体が日常と縁遠いもの、机上の空論になってしまうからだ。ときどき?な箇所はあったけれども、アイロニックな語り口も相俟ってワクワクさせてくれる。2009/09/26
Kumo
1
読了したが、まだあまり消化していない。「自然分類」や「原型」など、著者独特の言葉の用法が多く、解りづらかった。様々な分類学派を紹介しながらも、分類は特定の時間断面に対する行為である、という発想は何処にも触れておらず、化石種や祖先種の扱いで議論を複雑にしている印象があった。科学的実在を追い求めるあまり、時間を越えた普遍性に囚われているような気がする。分類学がそこまで「科学的」な代物だとは思えない。自然言語による分節(必然的に地域生物相しか扱えない)を科学的分類に援用することもあまり理解できない。2017/02/01
maple
1
生物の分類の主要な方法と理論が概観できた点では読む甲斐あった。みにくいアヒルの子定理や分節の恣意性から全ての分類をとりあえず人為分類と割り切るのも面白く、納得できる視点だった。ただ筆者がより良い分類に、人の認知パタンに合致することを重視している点は腑に落ちない。(加えて文章がとても読みづらい。多分、分類の王道理論をきちんと理解していない自分が読むに、アクが強すぎる)2016/03/24




