内容説明
人間が利用すべきメディアが、今日ほど多様化して社会と個人に広く深くかかわり、ものの見方と価値観の問い直しを迫ったことはかつてない。電話やテレビのように日常的なものから音響メディア、コンピュータ、さらにエレクトロニクスと高度通信技術が結合したニュー・メディアまで、それは現代人の生き方にどういう意味を持つのか?メディアにどう対処し、メディアが造り出した「地図にないコミュニティ」のなかでどう生きてゆくのか?
目次
はじめに 「話す墓石」の話
1 「サンマルコの馬」の秘密
2 テレビと人間
3 メディアとスポーツ
4 音の壁のなかで
5 メディアと音楽
6 見えない相手との対話
7 コンピュータと人間
8 地図にないコミュニティ
結び 「ウサギとカメ」の話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
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ここで取り上げられている「メディア」は実に多様だ。テレビ、ラジオといったマスメディアはじめ、録画録音媒体、見えない相手と対話できる電話、そしてコンピュータまで。ただインターネットはまだない。この本はこうしたメディアがウサギをして逆転し勝たしめてしまう情報社会を活写した。ただこの手の書物の宿命としてさらなる社会の進歩が内容をすぐに古びさせてしまう。インターネットがさらに急速にメディアを変化させてしまった。だからウサギの勢いでこの本は読まなきゃいけなかった。もしくは読む必要もないのかも知れない。2014/10/17