内容説明
『アラビアン・ナイト』の翻訳者リチャード・バートンは19世紀最大の探検家であったが、イギリスはついにこの男を受入れるすべを知らなかった。彼は36の言語を操り、足跡は全世界にわたり、多くの民族と風習を百冊に及ぶ著書に記している。ヴィクトリア朝のモラルを体現していた妻イサベルは、夫の死後「いかがわしい」すべての遺稿と日記を灰にしたが、この人物の魅力はその後の伝記を通じて不死鳥のように蘇ってくる。
目次
1 放浪の宿命
2 失意の学問
3 印度の幻滅
4 作家の恋愛
5 聖都の巡礼
6 悲劇の発端
7 名声の希求
8 水源の探索
9 齟齬の萌芽
10 塩湖の彼方
11 結婚の現実
12 領事の仕事
悲劇の9月
14 逆転の立場
15 献身の結末
16 絶望の学者
17 両極の生活
18 魅惑の世界
19 偉才の終焉
20 死者の権利