感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TakaUP48
63
いつも明日の準備に追われ続けていた日々。数日の旅行や休暇さえも、何日か後の予定を考えると満足に休めなかった日々。作者の画を見ていると、そんな日々が嘘のように時が止まったように感じてしまう。作者の作品やこれまでの人生、創作の思いと背景に流れる音楽、そして旅先でのスケッチ。どれを読んでも興味の湧く話でした。自然の征服を目指した西洋と自然との調和を求めた日本。その自然に対する相違が人物画や風景画に現れているという。自然の一隅を題材とする場合が多いのが日本風景画の特徴だとも。幾多の作品を、じっくりと鑑賞したい!2023/01/30
いおむ
23
久々に読み終わるのがもったいないと思った本でした。あまり随筆は読まないしまして買う事はほとんど無い。そして画家となればこれが初めて。画家が描く絵画にその表現の全てが込めらていても、その絵を見た印象がこちらの限界でそれでも良い。しかし東山魁夷の文章はそれを伝えるにたる麗しい言葉の流れで綴られ、こちらの感性を導いてくれる。2025/06/26
ふじあつ
14
★★★☆☆ 東山魁夷さんの歴史を自らの言葉で綴っている。気持ちの動きや作品の変遷などを書かれており芸術家の考えに触れることができた。出てきた絵が全て白黒なので,ネットでググりながら読んだ。その場にいるような感じになり,情景と文章がミックスされて楽しかった。2022/03/26
きりさめ
5
東山魁夷の文章初めて触れたけど、若干後半以降感傷的過ぎるところを除けばすごく日本画的な繊細さを持った良い文章だ。戦後の日本画界隈の状況を知れる資料にもなる。著者が東京美術学校に入学し、留学、それから入隊や終戦を経ていくなかで、どのようにして謙虚にストイックに自然と対話する感性を養ってきたかが語られるので、日本画のみならず絵や創作をする人への自己啓発としてこの本を推したい。2021/12/03
も
5
何読目かわからない。読む度に、もっと読まなければならないことを実感する。東山魁夷というヒトに深く惹かれる。2021/03/19