出版社内容情報
阿川佐和子は訳す力も凄い!ユーモアと友情と食欲に彩られた物語が、清爽かつ滑稽な現代の散文で蘇える。絵は100%ORANGE!
阿川佐和子は翻訳する力も凄い! 石井桃子訳で古くから親しまれてきた、途方もないユーモア、間の抜けた冒険、底なしの食欲、懐かしい風景、ふうわりとした抒情、そして永遠の友情に彩られたあの物語が、清爽で洗練された現代的な日本語でいま蘇える。僕たちが得た、新たな名訳。絵は100%ORANGE!
内容説明
「なんでもないシアワセ」の世界へ、ようこそ。「クマのプーさん」新訳!
著者等紹介
ミルン,A.A.[ミルン,A.A.] [Milne,A.A.]
1882年ロンドン生まれ。高名な風刺雑誌「パンチ」に勤めた後、第一次世界大戦に従軍。1924年長男クリストファー・ロビンのために書かれた詩集『クリストファー・ロビンのうた』(晶文社)が成功を収め、詩集のほか、推理小説や戯曲など著作多数。1956年没
阿川佐和子[アガワサワコ]
1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろんこ*勉強のため休止中
169
私にとっての第一の魅力はプーの愛嬌だ。自らの欲望に弱く、思いつきの行動が多いので失敗しがち。でもプーは善意の塊。常に相手のことを思っているので、心根に清潔感がある。ラストも両手を上げてハッピーエンドという訳ではないが、珍騒動がなんとなく収まるべきところに収まるのも、アイロニーに満ちていてイギリス文学らしい。個性的な仲間達との友情や、全体を流れるどこか懐かしいような叙情性も好み。100%オレンジの描くイラストが阿川さんの現代的な訳に合っていた。とても可愛らしくイメージが広げやすかった。装丁の力は大きい。2014/05/22
扉のこちら側
98
2016年436冊め。阿川佐和子氏訳と聞いて。ウィニー・ザ・プーは正しくはウィニー・「ザア」・プー。「プーがお宅訪問して身動きが取れなくなる」話だとか、赤ちゃんルー捕獲作戦とか、くすりと笑える話。ダイエット体操をするプーがかわいい。ディズニー映画は観たことはないが、この作品とはだいぶ印象が違う気がする。2016/06/19
優希
96
面白かったです。プーさんのほのぼのお間抜けなお話。無邪気にふるまうプーと個性的な登場人物に癒されました。可愛いし、言葉遊びも楽しいです。クラッシック・プーが好きなので、100%ORANGEの素朴なイラストには少し違和感がありましたけれども。新たなプーさんの物語ということでこれはこれでありなのでしょう。子供に戻った大人が読むような雰囲気を感じます。2016/01/20
吉田あや
76
石井桃子さんが扉を開けてくれた百年の森が、また一つ新しい扉を見せてくれたような阿川さんの新訳プーさんの世界。あの豊かで穏やかな森はそのままに、キャラクターたちが少し現代へと時間を進めたような全体であまり違和感もないまま気付くとしっかりとプーさんたちと森を愉しんでいた。全ネタバレとなっているタイトルの可笑しみも大切に受け継がれていて頬が緩む。『イーヨーがしっぽをなくし、プーが見つける。』お見事な一行日記のようなネタバレ章タイトルは、おバカなクマちんことプーさんそのもので愛おしい。(⇒)2021/01/13
くぅ
54
【新潮文庫2016夏の100冊87/109】ほんわかしていて可愛い。可愛いに尽きる。おバカなクマちん。ディズニーのプーさんよりミルンのプーの方が可愛いかな〜。ただ…クリストファー・ロビン、カンガとルーの親子にうさぎさん、イーヨーに子ブタちゃんは出てくるのにねぇ…私が大好きなティガーは出てこないんだね。ちょっとショックだったかな。可愛いのは間違いないのだけれど、これを読むには歳をとりすぎたような気もするし…(苦笑)私の年代になると子供をかかえて読むにはいいのかもですね。2016/08/04