新潮クレスト・ブックス<br> この村にとどまる

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この村にとどまる

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901929
  • NDC分類 973
  • Cコード C0397

出版社内容情報

この美しいダム湖の底に、忘れてはいけない村の歴史が沈んでいる。北イタリアチロル地方、ドイツ語圏の一帯はムッソリーニの台頭によりイタリア語を強制され、ヒトラーの移住政策によって村は分断された。母語を愛し、言葉の力を信じるトリーナは、地下で子どもたちにドイツ語を教え、ダム建設に反対する夫とともに生きてゆくのだが……。イタリア文学界の最高峰、ストレーガ賞の最終候補作。

内容説明

独伊のはざまでダム湖に沈んだ村。ファシズム、失われた母語、環境破壊…。母から娘へ、忘れてはいけない村の歴史。世界35ヵ国以上で翻訳。50万部超のベストセラー。ストレーガ賞最終候補/イーゾラ・デルバ賞/ドロミーティ・ユネスコ賞/ヴィアダーナ賞など受賞。

著者等紹介

バルツァーノ,マルコ[バルツァーノ,マルコ] [Balzano,Marco]
1978年ミラノ生まれ。2010年、『息子の息子(Il figlio del figlio)』でコッラード・アルヴァーロ新人賞を受賞。2015年、『最後に来たりし者(L’ultimo arrivato)』でカンピエッロ賞、ヴォルポーニ賞、ローマ図書館賞などを受賞。2018年に発表した本書で、イタリア文学界の最高峰、ストレーガ賞の最終候補に選ばれたほか、イーゾラ・デルバ賞、ドロミーティ・ユネスコ賞、ヴィアダーナ賞など国内外の多数の文学賞を受賞した

関口英子[セキグチエイコ]
埼玉県生まれ。翻訳家。『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』で第1回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

99
北イタリアにあるレジア湖に立つ教会の鐘楼。貯水湖の底には、ダムによって消えたクロン村があった。この一帯はアルト・アディジェ地方(ドイツ語では南チロル)とよばれ、ヨーロッパで唯一、ファシズムとナチズムの支配を連続して受けた場所だ。小説には、1920年代初頭から村が水に浸かる1950年までの南チロルの村人たちが戦争によって迫害され、土地を奪われていく姿が描かれている。村では公用語のドイツ語を使用されていたが、イタリアとドイツの占領によって分断されていく。→2025/02/11

藤月はな(灯れ松明の火)

67
イタリアとドイツの国境沿いに位置していたが為に隣り合う国々に翻弄されてきたチロル地方のクロン村。ファシズムによって言語は統制され、ドイツのナチズムによって翻弄されてきたが人々は懸命に生きてきた。だが、戦争の終わりによって一度はストップしていた「最大多数の公共の幸せ」としての電力供給の為、村はダムの底に沈められることになる・・・。ドイツに行ってしまったとされる娘へ綴られるのは、村での生活と家族の安否、そして愛と怨嗟である。息子もドイツ軍となったが、兵役を逃れたエーリヒ達の逃避行を助けたりと一面的ではなかった2024/05/13

キムチ

66
内容の重さに反し、「あなた」と語りかける柔らかな口調と底流となるトリーナの心情に共感を覚えたためか、とても読み易い疲れない本だった。パオロ・コニエッティと繋がる感覚も好み。巻末で述べられている筆者のフィールドがアルプス地方、そして言語とくれば当然か。初めて知ったのだが~そのエリアは山から山へと渡り歩く人々が自らの意思を伝える言葉を耳で理解していた。この作品に登場するエーリヒはまさにそれを体現しているかの様。伊と独は権力争いの手段として言語を弄び武器とした。仏映画でもよく見たシーンが作中で繰り広げられる。2024/05/07

もぐもぐ

62
権力者に対する無力感と同時に、理不尽な権力行使に抗い土地と母国語を守ろうとする人々の逞しさを感じる物語でした。イタリア・南チロル地方のドイツ語圏のクロム村、慎ましく平和な暮らしはムッソリーニのファシズムとヒトラーのナチズムに蹂躙され、戦争が終わっても水力発電所建設のために村人は強制移住させられて村はダム湖に沈む。実際にレジア湖からそびえ立つ教会の鐘楼をネットで見ながら、トリーナたちの人生に思いを巡らす読書になりました。とてもよかったです。2025/04/25

ケイトKATE

62
イタリアとオーストリアに挟まれたチロル地方は20世紀前半、イデオロギーと戦争に翻弄された地域だった。『この村にとどまる』は、チロルで生まれ育ったトリーナの語りによって過酷な歴史が語られる。国境を巡る対立はヨーロッパ各地で起きていたが、チロルにも苦難の歴史があったことは本書で初めて知った。最近、過去を舞台にした小説には、歴史から忘れられた出来事を掘り起こすものが増えている。『この村にとどまる』のように、歴史に光を与える作品が発表されることは、文学にはまだまだ必要があることを証明している。2025/04/14

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