新潮クレスト・ブックス<br> 夏

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新潮クレスト・ブックス

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  • サイズ B6変判/ページ数 400p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901813
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ブレグジットからパンデミックへ。苦悩深まる世界の新たな希望を描く最終巻。私が自分の人生の主人公だとしても、私たちはこの星で生きる資格がない。感染症の流行が始まった英国で、環境破壊に心を痛める少女が海岸で出会ったのは、母の形見の丸い石を届ける途中の男とその相棒。少女も家族と一緒に彼らの旅に加わり――EU離脱をきっかけに始まった不協和音だらけの交響曲、祈りに満ちた最終楽章。

内容説明

イギリス南部ブライトンに暮らす少女サシャは、環境破壊や貧困問題に憤概しながら、問題行動を繰り返す弟ロバートに日々手を焼いている。サシャはある日、母の形見の丸い石を東部サフォークに住む元の持ち主に返す旅の途中というアートと、一緒にブログを書いているシャーロットに出会った。二人は姉弟の母グレースと意気投合し、ロバートはシャーロットに一目ぼれ。家族三人はアートたちの旅に同行することになった。一方、石の元の持ち主で百歳を超える老人ダニエルは、ベッドで夢を見ている。戦時中、ドイツ系ユダヤ人として敵性外国人と見なされ収容所に入れられた記憶、そしてフランスで行方を絶った妹のこと―EU離脱による分断を描くことから始まった四部作の、パンデミック下で書かれた最終巻。

著者等紹介

スミス,アリ[スミス,アリ] [Smith,Ali]
1962年、スコットランド・インヴァネス生まれ。ケンブリッジ大学大学院で学んだ後、スコットランドの大学で教鞭を執るが、ケンブリッジに戻り執筆に専念。デビュー短篇集Free Love and Other Stories(1995)でサルティア文学新人賞を、長篇The Accidental(2005)でホイットブレッド賞を、『両方になる』でゴールドスミス賞、コスタ賞、ベイリーズ賞を受賞。『秋』から始まった「四季四部作」は今作『夏』(オーウェル賞受賞)で完結。最新作は『Companion Piece』(2022)。現代イギリス文学を代表する作家の一人で、タイムズ文芸付録による2018年のアンケートThe Best British and Irish Novelists Todayで1位に選ばれている

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。大阪大学教授。訳書にトマス・ピンチョン『逆光』、リチャード・パワーズ『オルフェオ』『オーバーストーリー』など。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

113
四部作もとうとう完結。どれも読み応えがあり、小説を読む面白さに満ちたシリーズだった。人物もテーマも構成も、中でも独特な感性の文章が好み。今作は十代の姉弟がいる家族の分断が描かれる。弟はこじらせ気味。でも母親たちを交えた五人の対話は対等で面白かった。語彙にアップデートはあるが表紙に幾つも描かれたレターの繋がりは普遍的。別離の兄妹、サシャと英雄。文字は希望を託される。分断、無関心、利己的な社会に皮肉を込めながらも、人と人がもたらす不思議な関係から"一緒"に重みを越えて夏へ向かうのを願う強さもある物語だった。2022/08/01

アキ

96
アリ・スミス4部作のラスト作品。前3作品と違うのは、新型コロナによる影響である。前作とのつながりは覚えていないので、なんとも言えない。原題「Summer」を表す古英語は、sumorであり、インド・ヨーロッパ祖語の語根samが源。意味は「一」と「一緒」の両方ある。1950年代イギリスに来たロレンツァ・マッツェッティは映画「一緒」を制作した。「創造力は文化的だ。創造力は文化を癒すことを目的としている。芸術は文化に深く根ざした問題と対峙し、そのバランスを整えようとする。」とメモがある。色々と考えさせられる小説。2022/07/23

どんぐり

90
秋に始まり、冬を越え、春を迎え、そして夏に終わる四部作。夏は、「想像の中の結末をめぐる物語だ。私たちは本能的に、夏が何かの意味をもっているかのようにそこに向かう。私たちはいつも夏を探している。夏を探し、一年中夏に向かっている。必ずいつか日が沈む地平線をじっと見つめるように」。全く話はちんぷんかんぷんだったけれど、部分、部分は面白かったので、よしとしよう。2022/11/23

がらくたどん

66
その季節にその本をと四季を読んできた読後の気持ちは「フウ~」と「ほお♪」どれだけ予想外でも作者が物語の手綱を握っているのが感じられる安心感のある物語にすっかり慣れている身なれば現の混沌がそのまま再現されて見える物語への読み疲れに「フウ」で、よく見たら登場人物達が端役っぽい存在も含めてインドラの網みたいに結びつき照射し合いながら社会のリアルと精神のロマンを映し出す企みに「ほお」親切な訳者氏は「ねたばれメモ」までつけてくれたが現実の繋がりには誰もネタバレを囁いてくれない。今、自分が気づけたご縁を奇跡と思おう♪2023/07/21

ヘラジカ

57
『秋』『冬』『春』の三作が収束する四部作最終章。新たなる登場人物は勿論だが、今までの主人公たちのその後、コロナ禍に翻弄される姿も描かれている。過去作と同様、タイトルと舞台の季節を感じさせる、フィナーレを飾るに相応しい夏の暖かさ(温かさ)と輝きを持つ作品だった。流石に名前やキャラクターを忘れている部分があったので、通しで読んだ方が良かったかもしれない。変わらない一貫したテーマを骨子にしているが、続けて読んでもくどさは全く感じないと思う。この大作を短いスパンで完成させたアリ・スミスは真に偉大な作家だ。2022/07/03

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