• ポイントキャンペーン

Crest books
もう一度

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105901073
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

事故で記憶を失い巨額の示談金を得た男。土地を買い上げ、役者を雇い、失った過去を再現しようと試みるが。異色の話題作、遂に邦訳。

失われた時間は、かつての自分は、莫大な金で取り戻すことができるのか? 熱い論争を巻き起こした痛快なイギリス小説。昏睡状態から目覚めた「僕」は、自分が事故で記憶の大半を失ったことを知る。「事故について何も語らないこと」を条件に巨額の示談金を得た彼は、広大な土地を買い上げ、大勢の役者を雇い、執拗に練習を繰り返して、おぼろげな過去を忠実に再現しようと試みる――。滑稽、不可解、それでいて切ない。異色の話題作、遂に邦訳。

内容説明

昏睡状態から目覚めた「僕」は、自分が事故で記憶の大半を失ったことを知る。「事故について何も語らないこと」を条件に巨額の示談金を得た彼は、広大な土地を買い上げ、大勢の役者を雇い、執拗に練習を繰り返して、おぼろげな過去を忠実に再現しようと試みる―。滑稽にして不可解、それでいて切ない。各国で賞賛を浴びた異色の話題作。

著者等紹介

マッカーシー,トム[マッカーシー,トム] [McCarthy,Tom]
1969年ロンドン生まれ。オックスフォード大学英文科を卒業後、プラハ、ベルリン、アムステルダムで様々な職を経験し、90年代初頭にロンドンに戻る。虚構アート集団「国際ネクロノーティカル協会」で活動する一方、初めての小説となる『もう一度』を2001年に書き上げる。イギリスの大手出版社から軒並み拒絶されたが、4年後にパリの小さな美術系出版社から刊行されると絶賛を浴び、英米でも改めて出版されて大きな注目を集めた。その後も小説、評論、書評等で活躍、2010年発表の長篇小説『C』はブッカー賞最終候補作となった

栩木玲子[トチギレイコ]
1960年生まれ。法政大学教授。専門はアメリカ文学、映画研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

148
事故で記憶を失って 示談金を受け取った男の再生の物語である。おぼろげな過去の再現 …想定外の展開は 小気味よく面白い。 男は一体何を見たのか?そして 再演の行き着く先は?いくつかの謎を抱えながら、物語は進む…最後はまるで 昔のスパイ映画のような、そんなエンディングだった。2021/03/07

優希

93
現実が揺さぶられるような感覚になりました。事故により記憶をなくしたことで追いかける謎。その手段は生活の再現ということなのですが、それすら本来の記憶なのか曖昧なのが何かの境界線をぼかしているように思えました。徐々に踏み込んでいく世界は戻ることも許されないところであり、狂気の極端な行き着く先と言ってもいいかもしれません。普通とは何かがわからなくなり、共に狂っていく時間が流れているように思わされます。2017/08/31

アキ

65
原題:Remainder. 名詞1残り、残余2残りのもの(人々)3(引き算・割り算の)余り、残り4残本。Toi booksで購入。なんともスリリングな小説。事故で記憶を失ったことで巨額な金を手に入れた僕は、ひび割れから甦る記憶の強烈な感覚からそれを再現することを思いつく。優秀なコーディネーターのナズが建物ごと記憶にある情景をそっくりそのまま再現するプロジェクトを執行した。なぜと聞くこともなく。最終的に行われるのは再演ではなく、本番だった。疾走感のある緊迫感満載の最終章は、遂にどこにも行き着かない。2020/02/24

藤月はな(灯れ松明の火)

55
記憶、生きている実感すらも失くした男はせしめた巨額の賠償金を元手に実際に起きた出来事を「再演」していき、「自分」を確かめようとする。所々に見える、男の他者を「自分」という存在の確認のための「再演」に必要な「役者」としかみない傲慢さや身勝手さが鼻につきました。それでも全てのことを違わずに再現することは不可能で。「もう止めろ!これは不毛だ!!」と思っていたら絶句するような結末が待っていました・・・。道楽に付き合わされたり、巻き込まれた周囲が混乱しているのに自分だけ恍惚としている主人公はかなり、異常で気持ち悪い2014/08/31

ぱせり

28
一人称でどう考えても普通ではないことを普通に語り、あくまでも普通に進んでいく強引な物語である。強引な物語なら、途中でやめたくなるものだろう。ついていきたくないもの。だけど、困ったことにおもしろいのだ。読みつつ葛藤している。可笑しいけど笑えない。不気味で怖い。それでいて、あまりにひたむきにあらぬ方向に突き進んでいく主人公の健気さが切なくてたまらない。 2014/05/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7862588
  • ご注意事項