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Crest books
タイガーズ・ワイフ

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900960
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「不死身の男」と「トラの嫁」。二つの奇妙な物語が、祖父の人生の謎を浮き彫りにする。オレンジ賞を受賞した驚異のデビュー長篇。

「不死身の男」と「トラの嫁」。二つの謎めいた物語が、祖父の人生を浮き彫りにする。自分は死なないと嘯き、賭けを挑む男。爆撃された動物園から逃げ出したトラと心を通わせた少女。紛争地帯で奮闘する若き女医は、二つの物語から亡き祖父の人生を辿っていく。戦争に打ちひしがれた人々の思いを綴る確かな筆致と、鮮やかな幻想性。弱冠25歳でオレンジ賞を受賞したセルビア系作家による、驚異のデビュー長篇。

内容説明

紛争の繰り返される土地で苦闘する若き女医のもとに、祖父が亡くなったという知らせが届く。やはり医師だった祖父は、病を隠して家を離れ、辺境の小さな町で人生を終えたのだという。祖父は何を求めて旅をしていたのか?答えを探す彼女の前に現れた二つの物語―自分は死なないと嘯き、祖父に賭けを挑んだ“不死身の男”の話、そして爆撃された動物園から抜け出したトラと心を通わせ、“トラの嫁”と呼ばれたろうあの少女の話。事実とも幻想ともつかない二つの物語は、語られることのなかった祖父の人生を浮き彫りにしていく―。史上最年少でオレンジ賞を受賞した若きセルビア系女性作家による、驚異のデビュー長篇。全米図書賞最終候補作。

著者等紹介

オブレヒト,テア[オブレヒト,テア][Obreht,T´ea]
1985年ベオグラード生まれ。92年、紛争の激化するユーゴスラビアを離れ、家族とともにキプロスに、やがてエジプトに渡る。97年にアメリカに移住。16歳で南カリフォルニア大学に入学、20歳でコーネル大学大学院の創作科に進む。ニューヨーカー、ゾエトロープ、ハーパーズ等の雑誌、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン等の新聞に短篇を寄稿。初の長篇となる『タイガーズ・ワイフ』は2011年のオレンジ賞を受賞(25歳での受賞は史上最年少)

藤井光[フジイヒカル]
1980年大阪生まれ。同志社大学文学部英文学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

66
マジック・リアリズムという手法、今でも承継されているのか否かは別として、私の理解度は低いレベル。バルカン半島の匿名の国の女医が勤務中で知る祖父の突如の死。それと並行して進む祖父の「2つの話~トラの嫁・不死の男」よくある 数本の糸が縦横の織りなす文様の内から湧き上がる筆者からのメッセ。それは寓話的ともいえるし、永久の祈りともいえるし。日本にいる日本人の私にしたら 理想とするところは判るものの、深い共感があったとは言えなかった。「祖父を理解する為に必要なことの全てが繋がって行く」トラの嫁・不死の男・・2020/07/19

にゃおこ

32
飲み込んで、お腹の中の温度変化とかざわつきとか余韻を感じるだけにしたい。私的に読後にアウトプットできないタイプの作品。2023/05/18

キジネコ

30
これは「死の書」 虎は絶対的であった筈の「個の力」の象徴、そして死神から死ぬことを許されなくなった不死の男は「境界」の案内人。物語の半ばまで積み上げられるエピソードが この寓話に どういう役割を果たすのか?感じ続けたのは「困惑」でした。それが中盤から まるで巨大なカラクリが担う動きの複雑さの綿密な準備が整った様に噛み合い始めます。鳥肌が立ちました。一行一句の無駄もなく進むストーリーは気がつけば結末さえ求めない永久運動。これを読む前と後で世界が変わりました。示されたモノは才能などという生易しいものではない。2013/08/05

りつこ

27
ものすごく好みな題材なのだがちょっと読みづらくて苦戦した。語られる内容が激しいのに語り口が非常に静かで言葉数が少ないせいか。不死身の男とトラの嫁の摩訶不思議な物語と、今までの暮らしが破壊され国が分断される戦争の現実。何が現実で何が現実でないのか分からないけれど、それが謎に包まれた祖父の生きた世界で、少しでもそれを理解しよう近付こうとつとめた孫の物語だ。戦火の中不死身の男と食事をするシーンがまるで映像を見たかのように頭に焼き付いている。2012/10/09

hagen

23
まずは表紙絵に引き込まれる。高い襟の牧師の様な服を羽織ったトラの伏し目がちの視線は凛とした決意を示す。タイガーズワイフ、この虎の嫁とは? ナタリアにより語られる内乱、戦争の苦難の時代の渦中に生きた祖父の数奇に満ちた物語を背景に、不幸な聾唖の虎の嫁と呼ばれる少女と孤高で獰猛なトラとの係わりは人々の恐れを惹起する。物語は祖父が語る幾重にも織り込まれた数々の奇談を土台に、今を生きるナタリアの心を捕らえて離さない。この寓意に満ちた世界観から読み解く事の出来る事は、末代まで苦難の世紀を生きた人々の叫びなのだろうか。2021/01/21

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