Crest books
奪い尽くされ、焼き尽くされ

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900847
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

夏休みを過ごす少女から、暴虐を尽くすヴァイキングまで、多彩な声と視点で現代アメリカを浮き彫りにする全9篇。各紙誌絶賛、恐るべき新人による短篇集。

内容説明

夏休みを持てあます少女。認知症の父と過ごす中年男。移動遊園地に集う人々。暴虐の限りを尽くすヴァイキングの男たち―。多彩な視点と鮮烈な語りが、人々の静かな絶望、消えずに燃え残った願い、湧き出す暴力の気配を描き出す。アメリカン・ドリームなき21世紀のアメリカ人の姿とその内面を、絶妙の心理描写と独特のユーモアで浮き彫りにする全9篇。ニューヨーク・タイムズ紙、タイム誌ほか各紙誌が絶賛した驚異の新人によるデビュー短篇集。

著者等紹介

タワー,ウェルズ[タワー,ウェルズ][Tower,Wells]
1973年バンクーバー生まれ。ノース・カロライナに育つ。ウェスリアン大学で人類学と社会学を学んだ後、コロンビア大学創作科で修士号を取得。2002年に短篇「茶色い海岸」でパリス・レビュー新人賞を受賞。『奪い尽くされ、焼き尽くされ』はフランク・オコナー賞最終候補となり、ニューヨーク公共図書館ヤング・ライオン賞を受賞、9カ国語に翻訳された。現在、コロンビア大学で教鞭を執るかたわら、ニューヨーク・タイムズ、ニューヨーカー、マクスウィーニーズ、パリス・レビュー等に小説およびノンフィクションを寄稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

45
アメリカでの生活をポートレートのように切り出した短編集だと思いました。ファンタジックで小気味の良いパンチのある作品集ですね。2021/07/20

藤月はな(灯れ松明の火)

31
「保養地」はHANNIBALやFARGO、VOICES、『アンチクライスト』と言い、本当に欧米では鹿は不吉とか破滅の象徴なんだな・・・。「大事な能力を発揮する人々」は優秀な弁護士だったが、認知症を患ってから嫌な所が剥き出しになってきた父への苛立ちが静かに湧き上がってきてはスッと冷める描写が上手い。「ヒョウ」は現在の変身譚ならば幸いだが…。「目に映るドア」には父が自分が売春婦だと蔑んでいた女の部屋から呼びかけたのを観た娘は如何に?と気になって仕方ない。『悲しみよ、さようなら』みたいな「野生のアメリカ」が好み2016/09/04

James Hayashi

30
デビュー短編集。子気味良いパンチの効いた短編でアメリカの若手として注目されているのは頷ける。短編なのでストーリー的にはどうなのかハッキリわからないが、素晴らしく胸を打つ表現がいつくかあった。原文がいいのであろうが、訳もいい出来だと思う。表題作よりも「茶色い海岸」と「保養地」がいいと思った。賞も受賞されている。2017/10/03

かわうそ

23
絶望的な状況のその先にある小さな希望かと思わせてやっぱり失望みたいな話ばかりで、個人的には「苦くて美味い」と「苦すぎてまずい」のギリギリの線。2016/05/28

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

22
短編集。表題作はヴァイキングのいる時代のノルウェーが舞台だが、その他は離婚、虐待、貧困で進退きわまった人々が、身を丸めてやり過ごそうとしているような、リアルな作品。ほっこりするようなオチはどこにもなく、しぶとく生きる姿にウケを狙うこともない。ジャック・ロンドンにも似た非情な作品。2016/06/13

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