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初夜

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  • サイズ B6判/ページ数 172p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900793
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

新婚初夜を迎えた二人を包む、興奮と歓喜。突然訪れた、決定的な不和。その一部始終を、名匠マキューアンが顕微鏡的な精密さで描き出す、異色の恋愛小説。

内容説明

歴史学者を目指すエドワードと若きバイオリニストのフローレンスは、結婚式をつつがなく終え、風光明媚なチェジル・ビーチ沿いのホテルにチェックインする。初夜の興奮と歓喜。そしてこみ上げる不安―。二人の運命を決定的に変えた一夜の一部始終を、細密画のような鮮明さで描き出す、優美で残酷な、異色の恋愛小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

168
1962年 結婚式を終えた二人の初めての夜を 丹念に描く。 わずか数時間の出来事が その後の二人に 何をもたらしたのか? 性に対する 感覚が 極めて 貞操的だったこの時代の風景が 今では 逆に 新鮮なのだが … たった それだけの事で、というのが 正直な読後感だが…さりとて、 この時代、そんな関係もあったのかも しれない、という気もする 残酷で 哀しい物語だった。2020/07/15

ケイ

152
原題は『チェジル・ビーチで』。それでよかったのに。性の知識のないままに結婚したら...、男性はともかく女性にはつらいかもしれない。しかし、ここまでの極端な状況があったとしても、結論にひとっ飛びしすぎなのは、やはり愛が十分でなかったのだと思う。足りなかったのは、経験だけではあるまい。60年代初めと終わりでイギリスにおいて決定的に違ったのは、性に対する考え方。解放的になるウェイブだけを感じていたエドワード。フローレンスがメイフュー家を 訪れた日の情景が美しい余韻として残る。2018/07/31

どんぐり

106
原題は、On Chesil Beach (2007)。チェシルビーチは、イングランド南部にあり、世界遺産「ドーセットと東デヴォン海岸」の一部で、南東のポートランド島につながる長い砂州の海岸。オクスフォードのセント・メアリ教会で結婚式をあげたエドワードとフローレンスは、この海岸に建つジョージア様式のホテルで結婚初夜を迎える。彼らは若く、教育もあったが、男女のそれについては何の心得もなく、セックスの悩みについて話し合うことすらなかった。出会いから1年間を禁欲的に過ごした二人にとっては、きょうが初体験。〈わが体2016/12/01

藤月はな(灯れ松明の火)

97
夫婦となった男女は初夜を迎えようとしていた。まさか、その初夜が二人の人生を大きく、変えるなんて思いもせずに・・・。夫婦となった男女が互いを一人の人間として尊敬し合うのは実は、とても難しい。「夫婦」という括りに縛られて「何もしなくても互いに理解し合える」という思い込み、どちらかが下位にいなければ安心できないこその地位確立、性処理の対象となること/ならないことへの嫌悪、夫婦だからこその言葉の容赦なさ。人と人が結ばれて生活するということは重いのだ。しかし、恋人がいる人ほど、読んでほしい本でもあると私は思う。2016/10/12

NAO

74
1962年、まだセックスに対するハードルが高く高く存在し、セックスに関する話などタブーだったイギリスの高学歴の新婚夫婦の初夜の数時間。作者は、この若い男女のセックスに対する意識を全く逆にすることで、そこから生じる戸惑い、違和感、恥じらい、怒りといったさまざまな感情を描いている。愛し合っていながら、うまく初夜をすごせなかった二人。セックスについてこんなにも悩み、ぎこちない思いを抱いていた男女。今ではとても考えられないことだからこそ、作者はちょっと極端とも思えるエドワードとフローレンスの話を書いたのだろう。2022/10/04

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