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Crest books
ディビザデロ通り

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784105900731
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

血のつながらない姉妹と、親を殺された少年。一人の父親のもと、きょうだいのように育った彼らを、ひとつの恋が引き裂く。散り散りになった人生は、境界線上でかすかに触れあいながら、時の狭間へと消えていく。和解できない家族。成就しない愛。叶うことのない思いが、異なる時代のいくつもの物語を、一本の糸でつないでいく―。ブッカー賞作家が綴る、密やかな愛の物語。

著者等紹介

オンダーチェ,マイケル[オンダーチェ,マイケル][Ondaatje,Michael]
1943年、スリランカで茶農園を営む富裕な地主階級の家に生まれる。両親ともオランダ人、タミル人、シンハラ人の混血。ロンドンのパブリックスクールを経て、62年、大学進学を機にカナダへ移住。67年、第一詩集『繊細な怪物』を発表。70年『ビリー・ザ・キッド全仕事』でカナダ総督文学賞。92年『イギリス人の患者』で、カナダ作家として初のブッカー賞を受賞。同作は映画化され、アカデミー賞作品賞・監督賞など9部門で受賞。『ディビザデロ通り』でもカナダ総督文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

134
ひどく感傷的な物語である。 アンナとクレア、クープの出来事から始まる物語は 過去と未来を 浮遊し、読者をあざ笑うかのように、終わらないままに 次の物語へと向かう。 視点が変わりすぎるのが、残念だが、 各編の関連の希薄さが 著者の意図なのかも しれない。2020/02/29

キムチ

58
やはり、オンダーチェはただ者じゃない。始まりはカリフォルニア北部に住むアンナ、クレア、クープと父親の疑似家族。ある地点までは語りが続くが突然虚空の世界へ。連作短編の呈を成しつつも全て未完。解説でコラージュと表する手法は読みつつ❓?だが終わってみると素晴らしい。時間が流れ、アンナは文学研究者に。その館の持ち主、R・セグーラの深く傷ついた過去の響きに共振する。ロマの少年、セグーラの過去などが書き綴られる。筆者が独特の文体を持つ詩的作家というのが解る。書き出しは構想を作らぬ筆者~混沌のうちから各人が歩き始める2020/07/17

藤月はな(灯れ松明の火)

38
血の繋がらない家族を永遠に引き裂いた「恋」。それから三人は時間の狭間を漂うように人々の人生に浮かび上がってくるようになった。本当は出会わない人々なのに揺蕩うような邂逅の気配を探さずにはいられませんでした。三人の運命は、まるでバスに乗った友達を追いかけてやっと窓から出た指先と伸ばした手の指先が絡まったと思った瞬間に解けてとうとう、追いかけられない距離までに離れてしまうようなものだ。いや、本当は絡まってもなかったかもしれない。でもバラバラのままのピースは確かに「愛」を宿していた。2016/03/03

どんぐり

37
3篇の物語。<アンナ、クレア、そしてクープ>は血のつながりのないアンナとクレアという同じ週に生まれた2人の娘、そして子どものときから農場で働いていたクープの物語。血のつながりのない「家族」に起きた嵐の日の出来事、そして散り散りになって生きた3人の人生と「家族」の再生を描いたもの。これは面白かったが、残り2篇の<荷馬車の一家><デミュの家>は、チンプンカンプン。クセのある本よりも、もっと面白い本を選んだほうがよかったかな。2014/06/11

ちえ

29
作者の『イギリス人の患者』がすごく良かったので。後書きで作者は詩人だと知り、なるほどと思いました。美しい、不思議な読書体験。例えるなら、薄い雲母の板が何枚も何枚も少しずつずれて重なっているような、チュールの布が重ねられているような。語られる話にはっきりした終わりはなく、しかしどこか重なりあう。手に取ろうとすれば、サラサラと崩れていきそうででも確かに手には触れている。そんな感じだろうか。切なく、なぜか心の奥が痛くなる。言葉が薄物の織物のように織られている。2018/06/08

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