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Crest books
時のかさなり

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  • サイズ B6判/ページ数 379p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900717
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ナチス統制下のドイツから、カナダ、イスラエル、そしてブッシュ政権のアメリカまで。四代にわたる六歳の子供たちが語りだす、ある一族の六十年。血の絆をたどり、絡まりあう過去を解きほぐしたとき明かされたものは、あまりに痛ましく哀しい真実だった――。フランスで二〇万部突破、魂を揺さぶってやまない最高傑作長篇。

内容説明

2004年のカリフォルニア、豊かな家庭で甘やかされながら育つソル。1982年、レバノン戦争ただ中のハイファに移り住み、アラブ人の美少女との初恋に苦悩するランダル。1962年のトロントが祖父母に育てられ、自由奔放で輝くばかりの魅力に溢れる母に憧れる多感なセイディ。1944~45年ナチス統制下のミュンヘンで、歌を愛し、実の兄亡きあと一家に引き取られた“新しい兄”と運命の出会いを果たすクリスティーナ―。世代ごとに、六歳の少年少女の曇りない眼を通して語られる、ある一族の六十年。血の絆をたどり、絡まりあう過去をときほぐしたとき明かされた真実は…魂を揺さぶってやまない傑作長篇。フランス・フェミナ賞、Prix France T´el´evision賞受賞。

著者等紹介

ヒューストン,ナンシー[ヒューストン,ナンシー][Huston,Nancy]
1953年カナダ・カルガリー生まれ。英語を母語とし、カナダ、ドイツ、アメリカで育つ。73年にパリへ渡り、ロラン・バルトに師事。77年に「言語的禁忌」の研究で社会科学高等研究所の学位を受ける。70年代のフェミニズム運動に参加、その後81年に処女小説“Les Variations Goldberg(ゴルトベルク変奏曲)”を発表。小説、エッセイ、児童書、脚本などを次々と執筆し、カナダ、フランスで高い評価を受けている。パリ在住。“Cantique des Plaines(草原讃歌)”でカナダ総督大賞を受賞。『時のかさなり』でフランス・フェミナ賞、Prix France T´el´evision賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

149
ある一族の六十年を描いた家族の物語である。 四世代の時代を 六歳の子供の目で語る。 あどけない 語らいとは 裏腹に、 背後に 潜む 戦争の影が不気味である。 ユダヤに対する 根深い 対立と偏見が 暗く 横たわる…世界を覆う不穏な空気と それを語る 六歳のあどけなさの 対比が 印象的な作品だった。2020/01/04

キムチ27

52
今年何作目のナチスドイツ小説・・筆者は戦後生まれ女性作家。作品の構成の巧みさに唸る。60年に及ぶ大河の舞台を6歳の口を借り、個が歴史奔流に流されざるを得ない惨さを浮き彫りにする。でだしソルの語り・・21世紀初頭。彼のみならず次のランダル、セイディ、クリスティーナの言葉が余りに隠喩比喩溢れ過ぎ年齢にそぐわない・・筆者の想いを6歳の口を借り 俎上に載せてる?感じ。どの子も痣がコンプレックス。血が繋がる、独とユダヤの相克、そして懊悩。個人的にはセイディの「悪の語り」が面白く、クリスティーナはややすぼみが。2017/12/09

星落秋風五丈原

37
米カリフォルニアの少年ソル(第1章)、その父親ランダル(1982年)、祖母セイディ(62年)、曽祖母クリスティーナ-エラ(44~45年)。本作は、4人の6歳児の視点から描かれ、2004年から1944年までさかのぼって行く。第一章は、ソルの家庭がざっと紹介される。戦争に協力する父ランダル。自分の出自にこだわる祖母セイディ。父親にとっても祖母にとっても謎多き人物である曽祖母が人形を手にして、「あなたは約束したじゃない!」と姉をなじる。6歳の少年から見れば、謎に満ちている出来事ばかりだ。2008/12/27

miyu

31
現代から過去へ、時代を遡りながら物語は展開する。自分が6歳の頃、こんなに色々考えてたかなぁとふと思った。まず初めのソルの章で気分が悪くなりギブアップしそうになるのだが、堪えてそこを乗りきると残りのストーリーには胸を打たれる。意外に淡々と歴史をまじえながら子供の視点で話は進むが、語られることはかなり重い。祖母のセイディが何故あそこまで母親のルーツをしつこく調べあげるのか不思議だったが、それも母への愛情なのかもしれない。個人的にはランダルとエラの章が好きだ。この2章があり、セイディの章のラストが切ない。2014/05/11

マリカ

31
4世代の6歳児が語り手となって、時代をさかのぼりながら、最後に曾祖母エラの衝撃的な事実が明かされていくという構成がとても印象的。小説の新しい可能性を見出したというべき斬新な構成と、読者にもう一度読み返したいと思わせるミステリー的なストーリー展開に、フェミナ賞受賞も納得。エラの育った環境の複雑さに端を発し、世代ごとに住む国や宗教が違っていることに、世代間の共鳴(=「時のかさなり」)をしみじみと感じました。おもしろかったです。2012/04/24

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