Crest books
ふくろう女の美容室

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900670
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

「美容室と酒場―どちらも人がふらりと入ってきては、別の姿になって出てゆく場所」。美容室に踏みこんできた男とそれを迎える女の胸さわぎを描く表題作。亡き夫レイモンド・カーヴァーの名短篇「大聖堂」と対をなす、盲目の男とある夫婦の一夜を描いた「キャンプファイヤーに降る雨」。夫がひそかに隠していた浮気相手からの手紙を燃やしてしまう妻。その妻に、夫がかけたひとことの重み(「祈る女」)。―誰もが抱える喪失の痛みと、ときに人の魂を光の中に照らしだす恵みのひととき。人生の機微とその不思議を、シンプルかつ美しい言葉で描きだす、大人の味わいの傑作短篇集。父母をめぐるエッセイ二篇を付す。

著者等紹介

ギャラガー,テス[ギャラガー,テス][Gallagher,Tess]
1943年、アメリカ・ワシントン州ポート・アンジェルス生まれ。ワシントン大学、アイオワ大学創作科に学ぶ。在学中から詩作を開始。74年、詩集Stepping Outside刊行。詩人として名を馳せる。79年、作家レイモンド・カーヴァーとともに暮らしはじめ、88年、入籍。86年、第一短篇集『馬を愛した男』刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

152
夫レイモンド・カーヴァー亡き後に綴られた短編集である。 どの作品にも 喪失の痛みが 込められているようで、胸にしみる。 大切な人を喪った後、残された人間の心情を 丹念に描く。 手紙が どの作品でも 重みを持つのが 印象的な、叙情的な作品群だった。2019/11/06

藤月はな(灯れ松明の火)

72
レイモンド・カーヴァー氏の最後の妻が描いた短編集。カーヴァー作品は読んだことがないので比較できないのだが、生活の中での心の揺れや喪失感が静かに迫ってくる。「石の箱」の一時的に子供を捨てたドリーの子を育ててドリーに奪われたアレイン夫妻がたった一度、訪れた、許せる機会を失ってしまう場面や「祈る女」の夫の不倫相手の不幸を願った後で罪を薄めるために人々の幸福を祈る痛々しさは心情的にヒシヒシと伝わってきました。「仏のまなざし」は最近、そういう見方を忘れていたなと自分自身、反省する、優しい作品でした。2016/08/13

キムチ

43
カーヴァー夫人であるだけに、作風、匂いが同じ。襟を立てて消え去る漢の後ろ姿が合うような。。この作品も成熟されたシニア女性の香り。セリーヌディオンのCDを聞いているようなニュアンス。アメリカ人的といえばそれまでだけれど、過ぎ去ったことは拘泥しないという場面、呟きが随処に有る・・そしてそれは宇宙の摂理・・なんて一人ごちてる。声高に泣き叫ぶ、周りにダダこねる、愚痴るなんてのはほぼ皆無。お風呂に入って、ゆっくり読んでいったこともあって、なぁんか心がゆったりした♬。2018/05/18

愛玉子

17
人生でうまくいかないことがある、誰かに傷つけられる、そんなことはいくらでもあるけれど、それを怒ったり恨んだりして逆に囚われてしまわぬようにと祈るように日々を送る人たちを、あたたかい視線で描いている。亡き夫(レイモンド・カーヴァー)と共に印象的な出来事に遭遇し、二人ともそれを小説にしたのだが、夫のほうが先に作品を発表してしまった、となると、私などは火サス的展開を予想してしまうのだが、彼女の場合夫への愛はそんなことで揺らいだりはせず、とてもあたたかくて切ない。優しい人柄が伝わってくる作品集。2010/09/08

ぱせり

16
屈託なく幸福そうに見える人が、人知れず大きな悩みを抱えて苦しんでいることもあるように、逆に、誰が見ても孤独で不幸にしか見えない人が、(たぶん実際苦しいだろうけど)思いがけず訪れた芳醇な一瞬を、一粒一粒、首飾りのようにつなぎとめていることもあるのかもしれない。せつないけど・・・。2011/07/11

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