内容説明
離婚目前の作家の「わたし」が一目惚れした美しい男は、精神分析医だった。男は力の源泉、そう考えてきたわたしは、彼の気を引くため、患者を装い、人生に登場したあらゆる男たちについて告白していく…103もの断章によって、繊細かつ野蛮に描写される男たちと、次第に明らかになる女の人生。絶賛を浴びたフェミナ賞受賞作。
著者等紹介
ロランス,カミーユ[ロランス,カミーユ][Laurens,Camille]
1957年11月6日、フランス・ディジョン生まれ。文学のアグレジェ(リセ、大学の教授資格者)。ノルマンディ、ついでモロッコで教鞭をとる傍ら、小説を執筆し、7作めの本書で2000年度のフェミナ賞を受賞した。作品に“Index”(’91年、鮮烈なデビュー作)、“Romance”“Philippe”“L’Avenir”(全てP.O.L刊)などがある。いずれも自伝的色彩の強い作品で、オートフィクション(自伝風創作)が文芸の一ジャンルとして注目を集めるフランスで、別格の高い評価を得ている。現在、教員を休職し、南仏に在住
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感想・レビュー
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遥かなる想い
141
ロランスによる 男たちの物語である。 103の断章により 描かれる 様々な男たち …ひどく短い断片の繰り返しで、 男たちの断面を描き続ける。 父 夫 恋人 愛人 …感情移入しにくい この構成が 著者の特徴なのだろう …精神分析医の前で ひたすら語られるモノローグ…赤裸々な表現は 遠慮なく 男女の一面を 暴く。オートフィクションという手法らしいが、結局よくわからなかったというのが、正直な印象だった。2019/07/17
旅籠屋
1
面白い視点の本ですね。2013/01/07
じゅういちじゅうに
1
(2000・仏)2010/05/16
なつめ
1
829|48冊目/すごくシンプルな本。女性とその人生に関わった男性たちの話。焦点がずっと男性だけに絞られるために内容はすっきりしあがっているが、全体の構成は複雑。高い基礎教養を強いるあたりはフランス人の文学っぽいなあと思う。デュラスっぽいなあと思っていると終盤でデュラスの言葉が引用されてて、やっぱりそうかと思った。2009/06/21