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黙って行かせて

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105450014
  • NDC分類 973
  • Cコード C0098

内容説明

私が4歳の時、母は家を出た。アウシュヴィッツで看守になるために―。50年後の再会、私は母に問わずにはいられなかった…。ヒトラーへの敬愛もユダヤ人への憎しみもそのまま現代まで持ち続ける母。母の言葉に愕然としながらも、絆と呼べるものはないのかと探さずにはいられない娘。本書は実話です。

目次

1 追憶
2 再会
3 回顧
4 孤独
5 戦慄
6 マミィ
7 悔恨
8 真実

著者等紹介

シュナイダー,ヘルガ[シュナイダー,ヘルガ][Schneider,Helga]
1937年、ポーランド・シュレジエン地方の町シュタインベルクで生れる。父は画家、母はナチス親衛隊員で’41年から終戦までアウシュヴィッツ第2強制収容所ビルケナウの看守だった。幼少期を戦時下のベルリンで過ごし、その後オーストリアへ移住。’63年にイタリア人と結婚(のちに死別)、以来ボローニャに在住し、イタリア語で執筆活動を行なっている

高島市子[タカシマイチコ]
東京教育大学文学部仏文科卒業。ベルリン自由大学ドイツ文学、図書館学専攻。元ベルリン日本語補習授業校校長、現在ベルリン・フンボルト大学日本学科講師

足立ラーベ加代[アダチラーベカヨ]
立教大学文学部ドイツ文学科卒業。ベルリン自由大学演劇学科、美術史学科修士課程修了。マールブルク大学メディア学科博士課程修了。現在ベルリン・フンボルト大学日本学科講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

76
アウシュヴィッツ第二収容所ビルケナウで女看守をしていた母親。4歳の頃に置き去りにされて以来、著者が母親と会うのは2回目。27年ぶりの再会は1998年、これを最後に母親の存在を心から完全に消し去るために、ウィーンにある老人ホームを訪れる。そこにいたのは、いまだ「ナチス親衛隊に所属したことを1秒たりとも後悔したことはない」という改心することのないナチ女。著者はナチ女の過去を追求していく一方で、ユダヤ人の子どもたちを死に追いやった母親から、「マミィと呼んで」と親しげに要求される。自分を解放するには母親を憎まなけ2018/04/14

nobi

67
自分の子供を置いてナチス親衛隊員となり“最も非情で冷酷な人材が派遣”されていた強制収容所の看守となった母親。その30年後の再会では“ユダヤ人の黄金”をプレゼントしようとし、そこからさらに27年後の再会では、怒りの爆発、虚ろな表情とともに、信仰にも似た差別意識、自らの所業への頑迷な信念を見せる。それらはフィクションかと思うほど強烈。そして囚人たちの扱いを、実の母親から知らされる娘ヘルガの衝撃が伝わってくる。彼女自身にも“原始的攻撃性”の体験がある。子供の頃、けしかれられて集団でユダヤ人に襲いかかったという。2024/07/31

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

34
とても悲しくなった。幼い自分を捨てた母親はナチスの党員でアウシュビッツの女看守だった、という自伝小説。自分を捨てた事もアウシュビッツでの残酷な行いも許しがたいのに、別れた母が気になってどうしようもない娘。ろくに育ててもいないのに、その娘を自分の気分のままに操る鬼のような(いや鬼に失礼だ)いやらしい母親。母親を憎み訣別したくあえてアウシュビッツでの残虐な出来事を聞き出す。その内容がこの作品のもう一つの核である。娘の満たされなさすぎる気持ち思うと本当に悲しかった。2016/10/05

こばまり

34
ナチス親衛隊であった男性が狂信者であると同時に父・夫・息子であったという描写は多いが女性のそれは珍しい。しかもアウシュビッツの天使と呼ばれ、軍幹部を身近に知る程の女看守であればなおのこと。実の娘によるこの作品を読んだ際の胸苦しさは事の他でその後なかなか手が伸びなかったのですが、イベント【アンネとお茶を アンネ・フランク ブッククラブ】開催を機会に再読。加害者側から語られるホロコーストなのでアンネと並べるのには躊躇しました。2014/03/12

けんちゃん

28
読友さんのご紹介本。4歳の時に弟と自分を置いて家を出た母は、アウシュヴィッツの看守として生き、半世紀以上の時を経て再会した娘にもなお、当時の自分を誇らしげに語る。本書全体を通して流れる、母に対する、ホロコーストに対する嫌悪感、それでも母と娘のどうしようもない、絆とはいえないようなつながり、赦せないけれど、心を引っ張られるものがある…そんな複雑な事情が絡み合って、読んでいる自分もその中にからめ捕られそうな気になって、何とも苦しい気持ちで読了しました。2012/09/18

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