内容説明
溌刺として挑発的で自信たっぷり。ミステリー界の多彩な“暗い営み”の裏も表も知りつくした著者が、生涯をかけて愛好してきた犯罪小説への個人的な思い入れに基づき、英米、欧州各国の三世代に及ぶ犯罪小説作家たちの作品の優劣を論じた最初、そして唯一の驚嘆すべき最高の歴史譚。MWA特別賞(エドガー賞)受賞。
目次
推理小説とは何か、なぜ推理小説を読むのか
二つの流れ―ゴドウィン、ヴィドック、ポー
ディケンズ、コリンズ、ガボリオ―各種のパターン
空白期
シャーロック・ホームズ神話の誕生
短篇探偵小説―最初の黄金期
第二の黄金期―一九二〇年代
第三の黄金期―一九三〇年代
アメリカ産探偵の反撃―もう一つの黄金期
シムノンとメグレ警視
新しい犯罪小説の波
犯罪短篇小説の変遷
犯罪長編小説と警察小説
量産作家とそのベストセラー作法
スパイ小説は短命か
再びクリスタル球を覗けば―私の処方箋
一九九〇年代に言い残したこと
著者等紹介
シモンズ,ジュリアン[シモンズ,ジュリアン][Symons,Julian]
1912.5‐1994.11。イギリスの詩人、評論家、小説家。30年代に詩人として活躍。37年に「20世紀の詩」誌を創刊。詩集に『Xをめぐる紛糾』(39)など。評伝『ディケンズ』(51)、『カーライル』(52)、『ポー』(78)は精神分析的手法を用いた異色の作品。45年以降は推理小説も手懸ける。『殺人の色彩』(57)で、CWAゴールド・ダガー賞、『犯罪の進行』(60)で、シルヴァー・ダガー賞とMWA長篇賞を受賞。犯罪小説論の集大成『ブラッディ・マーダー』(72)にはMWA特別賞(エドガー賞)が贈られた。また、長年の功績に対して、82年にMWA巨匠賞、90年にCWAダイヤモンド・ダガー賞が贈られた
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