内容説明
時代の寵児として、超巨大ハイテクリムジンから秒単位で投資を続ける男はその日、たちまち巨億を失う危機にあった。だが、その渦中にあっても繰り返される無軌道なセックス、狂気と見まごう振る舞い、背後には、忍び寄る殺人者の手…。幻想でしかない金に狂奔し、身体性を忘却した男は、N.Y.横断後いったい何を目にすることになるのか?現代アメリカ文学最大の巨匠が放つ極上のサスペンス、哄笑に満ちた都市の伝説。
著者等紹介
デリーロ,ドン[デリーロ,ドン][DeLillo,Don]
1936年ニューヨークのブロンクスで生まれる。71年、『アメリカーナ』でデビュー、以後精力的に作品を発表し、85年に『ホワイト・ノイズ』(集英社)で全米図書賞を受賞。88年の『リブラ 時の秤』(文芸春秋)が全米ベストセラーとなり、名実ともに現代アメリカ文学最大の作家となった。97年には超大作『アンダーワールド』(新潮社)が全米図書賞の最終候補に
上岡伸雄[カミオカノブオ]
1958年東京生まれ。明治大学文学部教授、アメリカ文学専攻
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感想・レビュー
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serene
14
衝動が運命を招いたのか、運命が衝動を生んだのか、ある日、男は滅びに向かって進みはじめる。 彼がこれまで築き上げたモノの管理人のような人たちが、ひとりまたひとりと彼と接触し、去ってゆくのだが、それと同時にそれら築き上げたモノも彼から離れ落ちてゆく。 そんな通過儀礼のような時間を経て、死と向かい合った時、最後に残ったものこそが彼が人生で真に得たものであったことに気付く。 ある人物の一日を書いた小説はいくつか読んだけれど、「コズモポリス」の幻想的な感じも嫌いではない。 2013/06/22
garth
6
「おまえの犯罪には良心が欠けている。何らかの抑圧的な社会の力に駆り立てられて、それをやろうとしているわけじゃない。こんな理性的な会話は大嫌いだ。おまえは金持ちに反対してるんじゃない。金持ちに反対する奴なんかいない。誰だって金持ちになるのにもう一歩のところにいるんだ。あるいは、誰でもそう思っている。違う。おまえの犯罪はおまえの頭の中にある。食堂で撃ちまくるアホと同じだ」2013/01/03
KO
3
最後の数ページに凝縮されていて、そこに辿り着くまで読み進めるのが難しかった。でもこの数ページが圧倒的。一見典型的な、現代社会の上層を体現する主人公が、「自らの選択」によって堕ちていくというのがある意味痛快。そしてテクノロジーと肉体、この内容とこの表現、クローネンバーグが選ぶのも納得。映画を観る前に原作を読みたかったので先に手を付けたけど、映画でどう表現されているのか気になる。2013/11/23
Ecriture
3
。2009/01/31
yasu7777
2
★★★☆☆ 稲沢3362-902022/02/24
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- 洋書
- I Dare You