出版社内容情報
世界は熱的な死を迎えるのだろうか?―― 名作「エントロピー」を含む全5篇に、仰天の自作解説を加えた著者唯一の短編集。目から鱗の訳者解説と訳注付。
内容説明
華氏37度で変わらぬ外気、階下では終わらぬパーティ。温室のような部屋でひそやかに暮らす男と女は終末の予感のなかで―鮮烈な結末と強靱な知性がアメリカ文学界に衝撃を与えた名篇「エントロピー」。“革命”を夢見る少年たちの秋を描く、詩情溢れる「シークレット・インテグレーション」、年間最優秀短篇として『O・ヘンリー賞作品集』に収録され、デビュー長篇『V.』の一章へと発展してゆくスパイ小説「アンダー・ザ・ローズ」など、眩いほどの才能に満ちた全五篇、著者唯一の短篇集を新訳。ダメキャラに熱力学、ゴミに機械に帝国主義、スパイ、神話、ポップ・カルチャー…。のちのピンチョン作品の萌芽を見るもよし、一篇たりとも読み逃せない作品群に加え、作家本人による仰天のこき下ろし自作解説、訳者による目から鱗の解説・訳註を収録。
著者等紹介
ピンチョン,トマス[ピンチョン,トマス][Pynchon,Thomas]
現代世界文学の最高峰に君臨し続ける謎の天才作家。寡作な上に素顔も経歴も非公表。1963年、『V.』でデビュー、フォークナー賞を受賞する。第2作『競売ナンバー49の叫び』(1966)でローゼンタール基金賞受賞。第3作『重力の虹』(1973)でアメリカ最大の文学賞である全米図書賞を受賞するが、本人が授賞式に現れず物議を醸す。以後、1984年に初期短篇集である本書を刊行した以外は実質17年間沈黙する
佐藤良明[サトウヨシアキ]
1950年生まれ。東北大学理学部中退、東大英文科卒業。東京大学教授職を早期退職。1970年代にトマス・ピンチョン論で出発して以来、文学、思想、ポップ・カルチャー、ポピュラー音楽の分野で執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
zirou1984
Vakira
空崎紅茶美術館
メルキド出版