内容説明
ピュリッツァー賞受賞作家、渾身のノンフィクション!最高裁長官ウォレンの決断、黒人少年殺人事件、エルヴィスとディーン登場、コマーシャルの女王、灰色の服を着た男、キング牧師と公民権運動、モンローのヌード・カレンダー、ベティ・フリーダンの挑戦、ピル解禁、スプートニクの屈辱、クイズショー・スキャンダル、U‐2機撃墜、キューバ危機の影、ケネディとニクソンのテレビ対決…。スリリングな50年代のドラマ。
目次
最高裁長官の決断
黒人少年の死
北への脱出
エルヴィスとディーン
栄光のGM
コマーシャルの女王
“理想”の家庭
灰色の服を着た男
キング牧師の旗の下に
モンローのヌード・カレンダー
ペイント・プレイス
女らしさの神話〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
17
50年代は人種問題が質的に変化した。奴隷解放宣言で問題が解決したのではなく、綿摘み機の発明により黒人が大量失業し、北部に流入、人種間の摩擦が表面化した。二度の大戦で黒人に生じた国民意識は平等への希求となった。スポーツや音楽の分野では白人に伍して活躍する者も出てきたが、人種間の隔離政策は続いていた。公民権運動はこれらを背景に生じた。一方、その後の優遇策は逆差別になり、それらを少数者に読み替えた施策は新たな問題を生んでいる。その後数十年間に米国で起きたことや周回遅れでわが国に起きていることの萌芽がここにある。2025/05/17
大森黃馨
10
「内政は実は外政のために行われ外政もまた実は内政のために行われる」「アメリカはその実国内に植民地を持っていた」『アメリカ一国で全世界を成立させている」私見ではアメリカ50年代は言わばバブルの時代であったまたしかし歪みも抱えていて決して最終完成夢の世界ではなかったアメリカの悲劇は夢が終ってもなお世界が続いている事 やはり日本の歴史の考察も自国史だけではなく他国史とも比較しないととんでもない考察結果が出てしまうように思う 2023/10/01
m_a
2
圧倒的な取材の緻密さ。それでもハルバースタムの著作の中では広く浅い内容だからとっつきやすい。2013/09/03
伊勢田和良
1
デビッド・ハルバースタム「ザ・フィフティーズ 下巻」を読みました。上巻同様、400ページを超えるボリュームです。 1950年代のアメリカの黄金期の政治・経済・文化・社会の現象を概括しています。社会現象の主人公となった人物の行動と影響をドラマチックに描いて上巻同様にワクワクさせる読み物になっています。 団塊の世代にとっては馴染みのある事件が多く、ノスタルジーと歴史の流れを感じます。やがて来る60年代の混乱と翳りの予兆というべき事件・現象も多かったことが分かります。 エルビス・プレスリー、ジェームス・ディーン2015/05/24
sasha
1
ハルバースタムはやっぱり手強い。でも、内容が濃いから面白い。世界のリーダーに躍り出たアメリカは繁栄と栄光を謳歌するが、それは混迷への序章だったのか。僅か10年、されど10年。この10年にいろんなことがつまっている。ひとつひとつの出来事なら知っていることも多かったが、年代でまとめて読めて大満足。2012/07/17