内容説明
革命下の故郷から逃れた白系ロシア人、ナチスに追われたユダヤ人、たがいに敵対する中国の革命家たち、この街で傷つき辛酸を嘗めた難民も、路地裏の物売りも、イギリスの幻想も日本の野望も。語られた多彩なエピソードの組み合わせから鮮明に浮かび上がる人々の息吹…。若いイギリス人ジャーナリストが、文革終結直後から十数年間に渡り、かつての租界に暮らした人々へのインタビューをもとに炙りだす上海(1842年~1949年)の変貌の歴史。
目次
第1章 偉大な都市の興亡
第2章 白系ロシア人
第3章 梅花勲章―一九二七年、最初の市街戦
第4章 イギリス人
第5章 川向うの戦争―一九三二年、二度目の市街戦
第6章 中国人
第7章 数丁先の戦争―一九三七年、三度目の市街戦
第8章 万事休すの状況
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
4
ふむ2024/04/20
印度 洋一郎
1
イギリス人女性ジャーナリストが、世界各地の元上海在住者(主に戦間期)、(戦前から住む)現上海在住者にインタビューし、戦前に上海で発行されていた雑誌や新聞を調査して構成したノンフィクション。”魔都”と呼ばれた上海は何故魔都なのか?を歴史と共に記述している。通史は研究書を読めばわかるが、この本の読みどころは上海に住んでいた様々な人々の体験から浮かび上がる上海の姿だ。西洋人によって開港させられ、治外法権の外国人居留地「租界」をコアにし、長江流域のハブとして発達した上海は中国でありながら、外国人が支配する街だった2022/04/27
しんかい32
0
面白いエピソード多い 全体に暗め 中公新書の「上海」とかでおおまかな歴史の流れをつかんでから読んだ方が分かりやすいと思われる2013/06/17