抱擁 〈1〉

抱擁 〈1〉

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  • サイズ A5判/ページ数 468p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105324018
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

91
ローランドはヴィクトリア朝時代に活躍した著名な詩人であるランドルフ・ヘンリー・アッシュ(実在しない)の女性あての手紙を図書館の蔵書の中に発見し、秘かな恋の足跡を辿る調査を開始する。以降クリスタベルとの手紙の往還の事実が徐々に明らかになる…。調査対象の詩人自体が作者バイアットの「創造物」であり、往復書簡もちろんのこと、アッシュにより書かれた詩でさえもバイアットの「造り物」であるところが何とも言えぬスゴサを感じさせる。「小説として完全に近い」とされる所以であろう。後半はどうなることか。G1000。2024/12/28

Ryuko

22
若く貧しい研究者ローランドがロンドン図書館で閲覧した本に見つけた手紙、、19世紀に生きた詩人のラブレター。敬愛する詩人の秘めた恋愛に対する興味、研究者としての野心から手紙の宛先を探る主人公。宛先と思われる詩人の研究者モードとともに探究を続けていく。Ⅱへ。2017/11/04

かんやん

4
個人的にはエーコの「薔薇の名前」以来の知的な(アンチ?)ミステリー。現代の若き(そして貧乏な)研究者がヴィクトリア朝の詩人が書いた手紙の下書を偶然に発見する、それは文学史を揺るがすような事件へと発展する…のか?というストーリーに伝記、手紙、批評、日記などを散らばめ、主人公たちが読み解いてゆくという趣向。見事なパスティーシュ、なのかどうかは訳文では伝わりにくいけれど、19世紀とポストモダンの対照、ライバルや師匠、天晴れな敵役の存在、現在も続く厳然たる階級差、女性差別やフェミニズムへの目配せなど実に盛り沢山。2015/06/05

白玉あずき

2
英国文学、英詩の知識があまりに不足し、うう・・・つらい・・ 英文学史の勉強をし始めてしまい、肝心の本書はすっかりお留守に。DVDを借りて見たら、すっかり読み進める気力がうせて、2巻目はとうとう積読。

たらこ

1
この人のことはもうなんでも分かる、いやなんでも分かるはずがないのだけど、そう意気込んで研究してきた作家の新しい一面を発見して、良い意味でも悪い意味でも、ドキドキする感じ。それを誰にも言わず、自分の発見として大事に抱え込む感じが、少し分かり味があって、懐かしくて面白かった。ヴァルとローランドのやりとりが大変辛くて、一方アッシュとクリスタベルの手紙がアツアツすぎて、温度差にキーンとなった。こういう小説を読むとやっぱり文通の時代に生まれたかったなぁと思う。2025/05/10

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