内容説明
1991年8月19日に起きた軍部・保守派のクーデターによるゴルバチョフの失脚から三日後の復権。そして、一挙に加速するソ連解体までの全貌が、宿敵エリツィン、クレムリン内部の暗闘とともに初めて明かされる。ゴルビー版『戦争と平和』のクライマックス。各国首脳との交渉にかいま見た、率直かつ痛烈な批評も語られる。
目次
新思考と外交政策
ペレストロイカと社会主義諸国
疾風怒濤の一九九一年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
20
1996年刊行のこの回想録2巻は大部だ。今回の再読では、ソ連解体の経緯について知るため、バルト3国の独立(91年9月)についてゴルバチョフがどう述べているか、に着目した。バルト3国が1940年にソ連の共和国となった経緯については上巻で、独ソ不可侵条約の秘密議定書に基づき赤軍による事実上の占領下で行われたーと率直に認めている。それでもゴルバチョフはソ連のトップとして、バルト3国をひきとめようと努力する。ソ連解体に向けたエリツィンの猛烈な政治的攻勢で努力も水泡に帰したーといわんばかりのくどきぶりだ。2023/07/21
キミ兄
0
コーカサス地方の共産党幹部から中央委員会、書記長に登り詰めるまで。中国の政治化の経歴とそっくり。レーガンやカストロ議長、橋本竜太郎などとの交友歴も注目だ。☆☆☆☆。2011/01/01
えいぷりる
0
レイキャビク会談のとき、私は高校生だった。固唾を飲んで会談の行方を見守ったのを思い出した。冷戦終結への背景や詳細な交渉内容がよくわかる。2013/07/28