アメリカの鳥たち

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  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105308025
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

辛辣なまでのウィット、強い意志を持ったエレガンス。いつも母は、娘に鬱陶しくまとわりついてくる。プロデューサーは女優を脱がせたがる。口先だけの男に退屈な夫、成就しない不倫。あの人はずうっと振り向いてもくれないし、久しぶりに会った友人は何を考えているのかわからない…。あなたの隣にもきっといる「鳥」たちを、現代アメリカ文学きっての短篇の名手がユーモラスに、シニカルに、けれどエレガントな筆致で描く、女と男の不安と孤独、12篇。我が子がガンに冒された経験をもとに小児ガン病棟を描き、新境地を拓いた異色作『ここにはああいう人しかいない』(O・ヘンリ賞受賞)を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

66
わかるものとわからないもの。すごくいいものとそこまでとおもえないものが混在された短編集だった。現代アメリカの女性の小説家の作品。この小説に登場する人たちは、よりべのなさというものが共通していたとおもう。足が地につかない、地につけられない、まるで鳥のように。岩本正恵さんの訳に惹かれて読みました。2017/11/17

どんぐり

21
女性の心に潜む悲しみや痛みをウィットやジョークで幾重にもくるんで表現した12篇。特に、小児がん病棟での日々を描いた「ここにはああいう人しかいない」(People like that are the only people here)、友人の赤ちゃんを抱き落として死なせてしまったことをいつまでも許せずにいる「すばらしい母親」(Terrific mother)の2篇が俊逸。2013/07/13

fseigojp

18
こういう洒落た女流短編はアメリカの独断場?2016/07/15

nina

16
1998年に刊行されたムーアの3冊目の短篇集。人々がそこそこ平穏に暮らし、緊張感もないが刺激もほとんどないようなゆるやかなコミュニティーでの生活。この短篇集に描かれた主人公たちは、そういった日常の世界に違和感やあきらめや悲しみといったものを感じながらもそれらを誰とも共有できずにいる。恋人や夫婦であってもお互いに何を考えているのか分からないことが多いし、パートナーと分かち合えないものが多いほど孤独の重みが増していく。進行形で広がっていく心の歪みはむき出しで痛々しいが、しかしどこか軽やかでユーモラスでもある。2013/12/15

algon

8
相当な才能と筆力から生み出される溢れるような皮相的諧謔には始めは楽しめたが全編に通底されるとちょっと辟易。総体のイメージも決してストレートなものではないし。しかし物語として非凡な作品群であることは異論はない。「きみがそう望むなら」「すばらしい母親」などは没入して読めた。ユニークだったのが「ここにはああいう人しかいない」。小児がんをめぐるほぼ自伝なのだが母親の混乱はわかるが自己中なほどの傲岸ぶりは読んでいて鼻についた。退院できたが看護の親達と2度と会いたくない等、心情的真実を書くことが作家的転換になった。2023/09/06

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