内容説明
百年前、まだ純情だった頃のアメリカ。野球選手の夢破れたベン・フェルプスは、帰郷する夜汽車の中で、ひとりの美しい娘と出会った。その名はロッティー。一年後、再会した彼女は、なんと移動遊園地の一座にいた。そこで起こった不可解な死。ベンが抱えた秘密。三度目の出会いは、彼らの運命を揺り動かした。ケンタッキーからジョージアへ、ベンはロッティーの魂の故郷を探す旅に出た。ロッティー、あなたは哀しいほど、綺麗だった。その美しき魂が、人々の運命を変えてゆく。『白い犬とワルツを』を超えた深き愛の物語。
著者等紹介
ケイ,テリー[ケイ,テリー][Kay,Terry]
1938年、米国ジョージア州生れ。ウエスト・ジョージア大学からラグレインジュ大学卒。地元のスポーツ記者をふりだしに、雑誌に映画や演劇の批評などを寄稿したあと、処女作『明りがついた年』を発表し、1990年の『白い犬とワルツを』で全米に知られる作家となった。エモリー大学で創作の指導も行う。現在アセンズに在住
兼武進[カネタケススム]
1937年生れ。東京大学英文科卒。翻訳家・跡見学園女子大学短大部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやび
10
優しい気持ちになれました。夢に破れたベンとフォスターとロッティーが出会い、それぞれの人生を歩みながらも生涯お互いを想いあう。孤独なロッティーとその小さな息子を愛しながらも、やっぱり故郷へ帰してあげるのがいいのだと送り出す、ベンの母親や町の人たち。みんな謙虚でみんな少し寂しくて、それでも愛する人の幸せを優先して。そして嬉しいラストでした。2023/02/19
Asako Nakamura
5
しみじみと心に残るお話です。最後はハッピーエンドでよかったと思う。2015/05/14
ジョニー
1
白い犬とワルツを、の作者の作品なので古きアメリカを舞台にある男性を主人公にしっとりとした人生を描いている。ロッティーとは主人公に短い期間だけ登場する女性だけど恋人や一夜をともにするわけでもない。読者には登場する様々の人の生き方をただ静かに問いかける。アメリカ文学には時々こういうのがある。ギャツビーなんかと同じ系統だ。2014/10/25
muffyduffy
1
劇的なことは何も起こらないのですが、淡々とした中に静かな哀しみと愛情が感じられました。素敵な本です。2012/11/28
遠い日
0
050625【読書ノート/ひとことメモ】しみじみとした語り口。100年前の人々。2005/06/25