内容説明
持っているスーツは1着、パジャマは40着。現実から逃れ「眠り」の世界を追求する不眠治療医ジョゼフは、謎の中国人骨董商から買った古いジャズレコードにヒントを得、「眠りの装置」を発明する。毎夜パジャマに身を包み、真の眠りを目指した彼が彷徨った夢と現実の世界とは?古今の文学的伝統と教養から広く着想を得、幅広い知識を作品にちりばめて、エスプリとウィットに富んだ独自の文学世界を築いている著者の鮮烈のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ティータイム
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すごく面白い!前半寝室を舞台に悶々としていた主人公が後半全人類の命運を決定的に変えてしまうお話し。 現実と夢、正気と狂気、喜劇と悲劇の境界が溶け合っていくような感覚になる。一見荒唐無稽に見えるけどファンタジーっていうわけじゃなくジャンルとしてはSFに当たるんじゃないだろうか。 毎日疲れたから明日に備えて機械的に眠るんじゃなくてもっと別の世界があることを思い起こさせてくれる。テリー・ギリアムあたりにに映画化してもらいたい。日常の中にとんでもない世界が潜んでいることに気づかせてくれる名作。 2016/05/15
はるゆう
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あわてて読んだせいか、どこが夢でどこが現実なのか、いまいちわからなくなってた。ストーリーに深遠な何かがある気がしたが、自分にはいまいちピンとこなかった。もう一度読めば、それが何なのか、わかるかもしれない。2011/12/13