内容説明
広告業界で成功し、言葉だけで他人を思い通りに動かせると自信に満ちていたシャルル。が、「部屋貸します」の看板に誘われ入った古いアパルトマンで、突然エレベーターの中に閉じ込められてしまってからは、目の前を通り過ぎる未亡人、家政婦、郵便配達夫等、助けを求めた人々との会話はすべて擦れ違って…。エレベーターで飼われた男の物語。フランス小説ならではの小粋で皮肉な会話で綴る奇妙な三週間の体験。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUBASA
23
広告業界で順風満帆に仕事をしている主人公シャルル。彼はとあるアパルトマンへの入居を考え、おんぼろエレベーターに乗り込むも階と階の間で停止してしまう。唯一の発見者の未亡人は食事等の面倒をみてくれるも助けを呼んでくれない。口八丁でならしてきた男は密室から生還できるのか?狡猾で傲岸、上っ面なことしか言わないやり手のビジネスマンが理不尽な目にあう滑稽さに笑える。しかし諷刺的ではあるけど、シャルルがかわいそうだし一歩引いて見ると怖い。誰も救いの手を差し伸べない所はザラにありそうな話だから本当恐ろしいわ。2018/07/23
ゆうこ
1
ラストシーンにびっくりした。半分ギャグというか、面白半分で読んでたから余計に。2011/11/09
ぶう兵衛
0
高級アパートの三階と四階の間にエレベーターがとまり幽閉されてしまった男。彼に食事や尿瓶などを与え面倒を見るが決して助けようとしない独り身の女主人。男の生活や精神が環境に曲げられていく様子はなかなか読ませる。リアリズムでいくとツッコミどころが多いんだけど「脱出するには女主人に求婚するしかない!」と考える辺り愉快である。2015/01/12
takj
0
なぜ閉じ込めたのか?わからない。 こんな集団がいるの? 「死刑台のエレベーター」もフランスだった。2018/09/29