出版社内容情報
八十万年後の世界から戻ってきた時間旅行家が見た人類の未来はいかなるものであったか.地上人エロイと地下人モーロックに分裂した未来社会の衰退を描きだした「タイム・マシン」(一八九五)は,進歩の果てにやってくる人類の破滅と地球の終焉をテーマとしたSF不朽の古典.他に「水晶の卵」「新加速剤」「塀についた扉」等九篇収録.
内容説明
八十万年後の世界からもどってきた時間旅行家が見た人類の未来はいかなるものであったか。衰退した未来社会を描きだした「タイム・マシン」は、進歩の果てにやってくる人類の破滅と地球の終焉をテーマとしたSF不朽の古典である。他に「水晶の卵」等9篇収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
37
課題のため読了。時間飛行家が自ら発明したタイムマシンに乗って訪れたのは、約80万年後の世界。そこにいたのは背が低く知能も低い宇宙人のような未来人だった。エロイ族と、彼らを支配するモーロック族が生存する原始系の未来…楽しい未来世界というより不気味な地球の終焉を描いているように感じた。どの作品も明るくはなく暗く恐ろしい印象がしたためか、私はあまり好きではなかった。途中で読む気がしなくなった…中では『マジック・ショップ』が一番良かったかな。鼻が伸びる店員は不気味だけど、不可思議なお店には行ってみたい。2016/06/09
拓也 ◆mOrYeBoQbw
35
中短篇集。以前は『タイムマシン』のみのレビューでしたが、今回はウェルズ作品のレビューをば。ワイルド、チェスタトン、キプリングらと同じくどの層が読んでも読み易く楽しめる作風ながら、内容はポー、ビアス、オブライエンらの幻想ホラーの後継たる物語なのが興味深いですね。実際ウェルズが書いてた頃はSFたるジャンルは無くロマン派、表現主義、ホラー、寓意、社会批判を行き来し、明瞭な文体と科学の味付けされた純文学という事に、改めて気付かされます。世代や読者層を選ばない、何度も読み返せる稀有な作家と言えますね(・ω・)ノシ2018/05/16
藤月はな(灯れ松明の火)
31
「タイムマシン」は進化の到達点に辿り着いた人類に待っているのは停滞という事実にぞっとさせられました。そして人類には大惨事なのに宇宙的に見れば些細なことというような温暖化の警鐘作でもある「ザ・スター」、普通こそが素晴らしい「奇蹟を起こした男」などSFにより俯瞰した視野で考えられる問題が取り入れられています。最後の「盲人国」の観念のない場所で自分だけが能力が秀でていることは優位に立てるわけではないという皮肉と見えることと見えないことで得るものについて考えさせられました。2012/07/06
亮人
28
時間SF大好きと自認していたが、実は本家本元のウェルズは読んでいなかった。反省。あらためて読んだが、おもしろかったー!120年前の小説だと思えない。四次元の理論でタイムマシンを駆動させていたり、意外に科学的で驚いた。未来世界の人類であるエロイ族とモーロック族が、進化論の援用でありつつ当時の社会批判でもあったり、興味深い。「他九篇」もおもしろい話ばっかりだった。「奇妙な味」っぽい話もあり、シリアスでありながらコミカルだったり、飽きさせない。120年も前にすでにここまで想像されていたのかと、逆に新鮮だった。2015/12/16
ぜんこう
27
ウエルズ初読み(もしかしたら学生時代に「宇宙戦争」を読んだかもしれないけど)。 「タイム・マシン」「水晶の卵」「新加速剤」「奇蹟を起こした男」「マジック・ショップ」「ザ・スター」「奇妙な蘭」「塀についた扉」「盗まれた身体」「盲人国」 SFなんだけど、読んだ後は、おとぎ話のような感じでした。2017/02/19