内容説明
かつては中世ボヘミアの王、いまはアインシュタインの友人。この男、名はアロバー、当年とって、千歳という。不老不死の甘き香りを求めて、男は旅立った。流れ流れて一千年。辿り着いたのは、二十世紀末のニュー・オーリーンズだった。同じ頃、シアトル在住の美人ウェイトレスのもとに、真っ赤なビートが届けられる。いったい誰が、何のために?鍵を握る究極の香水、K23とは。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山猫
13
雑誌Hanakoのご推薦だったが、求めてた内容とは全く違ってたし、長いだけでつまらなかった。Hanakoの選書基準、翻訳ものへのセンサーは理解しがたい。
星落秋風五丈原
4
主人公アロバーはもとはといえばヨーロッパの小国の王様。髪に白髪が一本出たことで王位を剥奪され殺される運命。時は11世紀だが彼はいわば近代合理主義者だった。この不合理に反抗して永遠の生命力を獲得しようとする超人思想にアタック。バンダループなる秘儀を経て彼と妻のカドラは1000年間ヨーロッパを生き続ける。そのアロバーが現代に至り不老不死の研究者やら香水メーカーの奇人達と交錯するあたりからドタバタ喜劇風になる。1990/05/08
rinakko
3
面白楽しかった! 世にも得難き香りをめぐる狂騒曲。生きる歓びが溢れだし、不老不死の論議に傾れ込む。なんて素敵に変梃りんなの…と。今を去る千年の昔、老衰の咎で処刑されることになった王が、辛くも死を逃れ、長い長い遍歴が始まる。牧神パンと出会い、カドラとの同類の絆を得、そして不死の知識へ。物語はさらに三つの現代の章に分かれる。血のように赤いビートと、たった一つの香りを希求する思いが、各々を結び付けていく。見事な絡繰りと奇想、堪能した。とりわけ「ダニーボーイの理論」にたどり着いたときは、その内容にのけ反ったことよ2013/08/21
脂肪分
1
俺には良さが分からなかった。2011/01/11
pubkugyo
0
ロビンズ、*香水ジルバ*(1984=1989、高見・訳)、香水を扱った芸術SFということで読みはじめたが、野菜のビートも同じぐらいよく出てくる、「突拍子もない直喩や隠喩をちりばめたオフビートな文体」(p. 427、訳者あとがき)とあるがオンビートじゃねーか!2015/11/28