バウムガートナー

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バウムガートナー

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  • サイズ A5判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105217235
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ここではない、どこかから電話が鳴る。ポール・オースター最後の長篇小説。S・T・バウムガートナーは九年前に先立った妻アンナの不在を今も受け容れられずにいる。書斎で彼女のタイプ原稿を読み耽り、物忘れがひどいなか、ルーツの地ウクライナを旅したときの摩訶不思議な出来事を書き残す。そんな彼に恩寵が……来るべき日を意識していたとしか思えない、オースター作品のエッセンスが宿る名作。


【目次】

内容説明

S・T・バウムガートナーは妻アンナの死をいまも受け容れられずにいた。妻の遺した原稿や詩を読み耽り、遠くない自身の最期を意識する。そんな彼に恩寵が訪れる…。ポール・オースター最後の小説。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール] [Auster,Paul]
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。コロンビア大学卒、同大学院中退後に渡仏し、数年間、各国を放浪した。詩、評論、翻訳などを手がけた後、1985年から86年にかけて『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の「ニューヨーク三部作」で世界的に注目された。以後、現代アメリカ文学を代表する作家として第一線で活躍。2024年死去。本書『バウムガートナー』はポール・オースター最後の小説である

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京都生まれ。米文学者、翻訳家、東京大学名誉教授。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞、翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞した。文芸誌「MONKEY」編集長をつとめ、現代アメリカ文学にとどまらず、幅広い文芸作品を翻訳紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

169
2024年に他界したオースターの最後の小説。70歳の哲学者·大学教授が、亡き妻や家族との思い出、友人女性への告白の惑いに揺れ動く姿。それが滑稽と哀愁を漂わせる。ま、完璧な人間なんていないから。作者による老いへの暖かい眼差しを感じる良作です。2026/03/01

どんぐり

85
オースターの遺作。災厄の朝に転がる焦げた鍋から、哲学者バウムガートナーの意識を記憶の底へと連れ戻す。18歳で出会い、40年の歳月を重ね、58歳で喪った妻アンナ。浜辺で最後に見たときの彼女の声と体はもうないのに、手紙や写真を通して甦り、死者と生者の境を曖昧にしていく。幻肢のように失われた愛をなお感じつづける男の漂流は、家族史の断片、失われた詩、看取りの瞬間へと収束し、記憶が人を生かしも呪いもするという真理を静かに照射する。やはり一筋縄ではいかない、オースターの小説だ。2026/02/05

ヘラジカ

45
全く衰えぬ筆力。これが遺作か、と思うと遣る瀬無い。本当は『4321』と同じくらいとまでは言わなくとも一つの大長篇が存在して、この本は主人公を紹介する始まりの一章に過ぎないのではないか。しかし、”あの後”が読めないのは辛いが想像する楽しさを遺してくれたと考えると慰めにはなるし、大作家の最期の作品が「開けた」終わり方をしているのは感慨深いとも言える。著作の7割も読んでいるかどうかというくらいであまり熱心な読者だとは言えないが、やはりもう新作が読めないと思うと寂しいな。2026/01/13

ケイティ

38
亡き妻の不在に囚われる70代の哲学者バウムガートナー。多くのオースター作品にはどこかに彼自身がいて、こちらも晩年のオースターが重なるような年老いた生活、喪失感や哀愁が漂う。様々な時代の過去への回想を繰り返す停滞感はあるが、死を意識しているような達観もあり、オースターらしくも新境地が垣間見えた。いびつな人間くささが生々しいのに、上品さが残る人物描写はさすがの筆力。もう新作に会えないのだな…と思うと寂しさでいっぱい。本人が意図してないにしても、期待を裏切らない遺作に相応しい名作だった。2026/02/17

キムチ

37
最後の方は流し読み∼予約入り故 返却延長不可💦2年前逝去した筆者の最期作品。個人的に彼の中期ものが好みだが・・「70歳を越えたオースター 新たな段階に入った」感を思わせるほどのエネルギッシュな執筆が展開。その中の一つがこれ。若い頃を回想する中で何かしら滑稽なほど慌てふためくガートナーが描かれる。主人公70歳 高齢男性~筆者の分身とも受け取れた。メモアールの中にウェットな情緒部分が散りばめられ 諦観とも揶揄っぽいとも取れるニュアンス。何かしらはざまにちらつく「ガン警察」の影。幾度もオースターの顔が脳裏に2026/03/03

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