ブルックリン・フォリーズ

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  • サイズ A5判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105217150
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ドジでも生きて行ける。幸せは思いがけないところから転がり込んでくる──オースターならではの、ブルックリンの、幸福の物語。

幸せは思いがけないところから転がり込んでくる──傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた──一人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネイサンは、ブルックリンならではの自由で気ままな人々と再会し、とんでもない冒険に巻き込まれてゆく。9・11直前までの日々。オースターならではの、ブルックリンの賛歌、家族の再生の物語。感動の新作長編。

内容説明

傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた―ブルックリンの、幸福の物語。静かに人生を振り返ろうと故郷に戻ってきたネイサンが巻き込まれる思いがけない冒険。暖かく、ウィットに富んだ、再生の物語。

著者等紹介

オースター,ポール[オースター,ポール][Auster,Paul]
1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。若いうちから作家を志し、1970年代から詩、戯曲、評論の執筆、フランス文学の翻訳などに携わる。1985年から86年にかけて刊行された「ニューヨーク三部作」で一躍脚光を浴び、以来、無類のストーリーテラーとして現代アメリカを代表する作家でありつづけている。フランス、ドイツ、日本などでは、本国アメリカ以上に評価の高い世界的人気作家である。ブルックリン在住

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年生まれ。東京大学教授、翻訳家。ポール・オースター、リチャード・パワーズ、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョンなどアメリカ現代文学の翻訳多数。自著『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ガクガク

91
読メさんに刺激され久々のオースター。訳者あとがきのとおり、オースター作品の中で「もっとも楽天的で、もっともユルい語り口の、もっとも喜劇的要素の強い作品」だと感じた。ただそれは決して悪い意味じゃなく、今の季節、今の自分の気分にぴったりマッチしていて、読後感はとても良かった。『人間の愚行の書』を中心に話が展開するのかと思いきや、主人公はちゃんと実世界の中で、甥やその妹の暮らしを立て直し、近所の友人や恋人とも助け合いながらしっかりと生きてゆくのだ。散りばめられた駄洒落や軽妙な会話も柴田氏の名訳で十分に堪能した。2014/08/31

kana

79
2012年刊行の海外小説ベストはこれに決めた!妻と離婚し、癌を治療し、人生の終わりを静かに過ごそうと戻ってきたブルックリンで思いがけず開かれていくネイサンの新しい人生。甥っ子のトムと、その妹と、古書店主ハリーと、、それぞれが苦難を乗り越えていく、愛すべき愚かな日々を綴った群像劇です。ご都合主義といわれようとも終盤にかけて徐々に高まる幸福感が素晴らしいことに変わりはなく。こんなに読みやすく、また文中のユーモアがこんなに面白いのは柴田氏の名訳のなせる技。ラストの『本の力をあなどってはならない』に大賛成です。2012/11/20

コットン

72
既読した同じ著者の『ガラスの街』や『幽霊たち』の一種冷たさ又は不条理感に比べると、賑やかで変化に富みユーモアもあるストーリー。特に作品の中盤ルーシーという女の子の『ある早わざ』が思わぬ結果を及ぼす辺りが、人生は多様性に満ちていると言うことか!2018/10/17

どんぐり

71
この物語は、2001年9月11日の朝8時、1機目の飛行機が世界貿易センターの北タワーに激突する46分前のところで終わる。語り手は、目下『人間の愚行の書』(The Book of Human Follies)を執筆中のネイサン・グラス、生きる目的など何も残っていないと信じてブルックリンに戻ってきた60歳近くの独り身の男である。この街で生きる多種多様な住人と行き交い、甥のトム、姪ローラの娘ルーシーと連れ合ううちに、物語は徐々にロードムービー化の様相を呈する。物語から物語が生まれ連続性ある物語に、これが面白い。2014/10/17

トラキチ

64
柴田元幸訳。読者自身、読んだ後ホッとさせられ自分自身が再生された気持ちになるポールオースターのストーリーテラーぶりが堪能できる究極の物語。幸せって永遠に続かないものだって誰でもわかっていながら、その時々によって今が幸せかどうかさえわからない時があります。 それだけ人間って贅沢な生き物なのでしょう。 一寸先は・・・という言葉通り人生いろんな紆余曲折がありますよね。 本作はいろんな人物が登場し愚行を重ねる群像劇的な作品で、主人公であり語り手であるネイサンは凄く暖かな視点の持ち主です。 2012/07/18

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