内容説明
「実は、漫画家になりたかったのです」何の取り柄もなかった彼の中学生時代を輝かせていたのは、唯一漫画だった。以来、学友ほど理想的な読者に恵まれたことはないと言う。母親の生家を訪ねるときの胸の高鳴りが伝わってくる…作品を読んだだけでは窺い知れない作家の素顔と内面に迫るロング・インタヴュー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまうま
5
ル・クレジオがインタビュー形式で慎重に自分の想いを語る書。インタビュアーが要所要所で口にする「ル・クレジオ的な~」という言葉がひどく印象に残る。僕は彼の作品は現時点では『調書』しか読んでいないけど、その時感じた夢心地のようなものが「ル・クレジオ的な」何かなのかもしれないと思うと、静かな高揚感が湧いてくる。もっとも、彼らが文学作品を「芸術」と呼ぶのにはちょっとむず痒い思いがしたのも事実だけど。2012/09/12
午後
1
都会について、メキシコについて、旅について、浜辺について、黄金について、打ち捨てられた車について、空を飛ぶ夢について、もうひとつの場所について、丁寧な質問と、インタビューの行われる場所に触発されて語られる作家の言葉に宿る、親密な雰囲気が心地良い。「旅することよりも旅を書くことのほうが、子供のわたしには大切だったのです。旅するだけで満足してしまうと、十分な自覚をもつことができなくて、何かを見逃してしまうような気がしたのです。」(p.28-29)2023/05/02
pon
1
『メキシコの夢』上梓後間もない時期にラジオで放送されたロングインタビュー。「書くことと飛ぶことはたしかに同じと言えるんです」2016/06/06
youtom
0
「書くことです、もちろん。それが主な狂気です。」2011/05/23
博愛
0
『浜辺で小説を書くと視力が落ちる』。覚えときおきます。2010/06/16