捜索者―西部劇の金字塔とアメリカ神話の創生

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  • サイズ B6判/ページ数 525p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105069315
  • NDC分類 778.253
  • Cコード C0074

出版社内容情報

スピルバーグら巨匠に深い影響を与えた『捜索者』。その背景にある神話的事件からフォード監督撮影秘話までを丹念に描く全米話題作。

巨匠たちはなぜ『捜索者』を絶賛するのか名作に潜む史実と秘話を徹底解剖! スピルバーグが惚れ、ゴダールが泣き、近年ますます再評価されている『捜索者』。そのモデルとなった少女拉致事件を丹念に掘り起こし、このアメリカ近代史における神話的史実がいかにして名匠ジョン・フォード監督の手によって映画化されたのかを、撮影秘話を交えながら追う。ピュリッツアー賞作家による全米話題作。

内容説明

19世紀に実際に起きた少女シンシア・アン・パーカーの拉致事件。その凄惨な闘争劇を調べ上げ、奪還された女性が産んだ息子クアナの数奇な運命をたどり、西部開拓史における「神話的悲劇」として語り継がれる事件の真相を追う。さらには名匠ジョン・フォード監督が、この物語を西部劇屈指の作品へと昇華するまでを克明に描く。名画でアメリカ近代史を知る、全米話題のノンフィクション大作。

目次

プロローグ パピー(ハリウッド、一九五四)
第1部 シンシア・アン
第2部 クアナ
第3部 アラン・ルメイ
第4部 パピーとデューク
エピローグ (テキサス州クアナ、二〇一一年六月)

著者等紹介

フランクル,グレン[フランクル,グレン] [Frankel,Glenn]
ニューヨーク生まれ。1973年コロンビア大学卒業。1979年より27年間「ワシントン・ポスト」紙に勤め、同紙の南アフリカ支局長、エルサレム支局長を歴任。1989年イスラエルと中東問題の一連の報道に対してピューリッツァー賞を受賞。2006年からスタンフォード大、2010年からテキサス大学でジャーナリズムを教えるかたわら、フリーのジャーナリスト兼作家として活動している

高見浩[タカミヒロシ]
1941年、東京生まれ。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maja

13
歴史背景・原作者・監督・映画作品にまつわる詳細と考察で西部劇「捜索者」を紐解いていく。アラン・ルメイの小説のあらまし、視点は時を遡る。さらなる新天地を求め荒野を南下していく狂信的な伝道者のようなパーカー家の長男が一族を率いる場面に移行する。兆しのような大規模な流星雨。のちに数奇な運命をたどる母と子の有名な神話的悲劇と言われる実話。ルメイは1836年に起きた少女拉致事件で長年、奪還に執着した伯父の心底にあるものに焦点をあてたモデルを創作する。この国のなりたちをまざまざと見る思いがする読後感。 2024/04/23

乙郎さん

4
ジョン・フォード『捜索者』はオールタイムベスト映画の一つであるが、本音を言うとこの本を読んでこれからどう接すればよいかわからなくなった。美しい、だけでは済まないその先。前半では『捜索者』の元となった出来事をもとに、周辺の関係人物についての性格含めた詳細な記述と、19世紀アメリカの先住民を巡る状況といった歴史的大局の双方から描く。その2つをつなぎ、この出来事を20世紀のハリウッドまで継承する存在はやはりクアナ・パーカーだろう。2023/04/12

春ドーナツ

3
ジョン・フォード監督の作品を観たことがなくて、「hulu」で映画一覧をスクロールさせたが見当たらず、映像のエッセンス、断片でもよいから触れてみたいと思い、今度は「YouTube」で検索。幸運にも「捜索者」のハイライト映像を視聴することができた。私と西部劇の接点は唯一「モヒカン族の最後」という小説を読んだのみ。よくこの本を読もうと思ったなと思う。2016/05/20

owl&shepherd

2
たった一本の映画で約500頁。話が映画におよぶまでが長いこと。DVDで西部劇を3カ月で約130本見たことがあって、こういう誘拐&奪還ストーリーは新奇ではない。先住民と入植者が敵対するなかで人と人との関係性をモデルになった事件から現代まで追跡するにはこれくらいの力業がいるというのはわかる。大河ドラマみたいな年代記。残念だけど、もうジョン・フォードみたいな映画監督の出る幕はない。駄作もあったけどな。ジョン・ウェインのバリトンがまた聴きたくなった。2016/07/15

yyrn

2
危うく「ザセツ本」になるところだった。西部劇の定番とも言える「インディアンに誘拐された幼い娘を救うために立ち上がる男の物語」の代表作がこの本で紹介されている『捜索者』で、その映画製作にまつわる話を期待して読み始めたが、本書の前半は映画の原作の史実を丹念に追った詳細な記述で埋め尽くされ、まるでアメリカ建国の陰に隠れた、インディアン迫害にまつわるある女性の数奇な運命を勉強させられているようだった。映画の話は第3部の原作者アラン・ルメイの話あたりからようやく始まります。映画ファンはそこまで我慢です、ガマン。2015/12/06

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